日本には労働基準法という法律があり、働く人は正社員だけでなく、派遣やパートも守られています。そのため簡単にはクビにはならないと考えている人が多いのですが、実は会社をクビになる人はけっこういるのです。どんな理由でクビになるのか、また気をつけておかなくてはならないことなどをチェックしておきましょう。
記事の目次
会社をクビになる理由
会社をクビになる理由は大きく分けて4つあります。いずれも会社側に社員をクビにする正当な理由がある場合です。クビが正当か不当かでは、裁判で争われるケースもあります。
- 能力や勤務態度でクビ
遅刻や欠勤があまりに多い場合は勤務態度が悪いということで、クビになる可能性があります。会社側から遅刻や欠勤について注意が入った時点で改めないとクビになるでしょう。また、業績が悪い、ミスがひどいなど会社に損害を与えていると判断された場合もクビにされることがあります。
- 懲戒解雇でクビ
会社の情報を外にもらしたり、資料を無断で持ち出したりすることでもクビになります。就業規則に反する行為は懲戒解雇の可能性が出てきます。当然、万引きや痴漢などの犯罪行為もクビになります。
- 自然災害でクビ
東日本大震災のような災害では多くの人が仕事を失いました。会社が社員をクビにしたくなくても働く場所が無くなってしまえば、営業を続けることが不可能になります。この場合、会社は社員をクビにすることになるのです。
- 経営難でクビ
会社が経営難になった場合、会社は社員に事前に通知をすることでクビにすることができます。クビにならなくても会社が倒産してしまえばどうしようもありません。一社員であっても会社の経営状態は把握しておく必要があるでしょう。
- 自発的に退職させる
自発的に退職させるというのは、クビにする正当な理由が見つからない場合、上司などがその社員を辞めさせるようにもっていくものです。仕事上のミスを徹底的に見つけ、必要以上に叱責したり、無視をし続けたりと普通の人であれば「こんな会社、やめてやる」と思うくらい、執拗に追い打ちをかけるというものになります。
その場合の理由はただ「嫌われた」ということです。会社は嫌いだからといった理由で社員をクビにすることができませんのでこのような方法をとるのです。このような形で辞めさせるということは珍しいことではありません。また女性よりも男性の方が陰湿さを徹底しているといったことも言えるのです。
リストラ、経営不振、能力が低い、勤務態度に問題がある、それら以外にも嫌われたら会社を辞めることになるということを頭の片隅に置いておかなくてはなりません。そしてクビになる理由に納得がいかないという場合は、受け入れてしまわず、労働基準監督署や弁護士に相談することが大事でしょう。
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会社をクビになる人の特徴
社員をクビにする請負会社があるのをご存知ですか。社員一人につき数十万円から100万円で引き受けるといいます。請負会社ではターゲットとなった社員を徹底的に尾行し、会社を辞めさせる理由を作り出すのです。パソコンの通信履歴ももちろんすべて洗い出され、メールの内容など調べ上げられます。請負会社によると会社をクビになる人には共通した特徴があるといいます。
- 仕事ができない人
成績の悪い営業マンはまずターゲットになります。外回り中にパチンコをしたり、車で昼寝をしていたりするのが営業成績の悪い会社員によくあることです。会社は社員がパチンコをするために給料を支払っているわけではありませんので、即刻クビの対象になるでしょう。
- 会社の意向に沿わない人
どんな会社にも理念や方針があります。それを無視する社員はクビになることが多いです。取引先での会話や仕事の仕方から、会社の意向に逆らっているということがわかってしまいます。
- 借金などのトラブルがある人
借金などをしている人はクビの対象になることが多いです。いつ会社のお金を横領するかもしれないという懸念があることも理由ですが、借金などでトラブルを抱えている人はマネジメント能力がないということになります。
- うつ病のフリをする人
うつ病であるかのように、暗くやる気の感じられない社員もクビの対象です。うつ病のように装っていることに、いつ休職してもおかしくないという疑惑が持たれます。またそもそも職場の雰囲気が悪くなり、何の役にも立ちません。
- 言い訳がましい人
言い訳がましい人は責任感が薄いことが多いです。当然会社は責任感の薄い人間を社会人として認めません。自分を正当化するあまり、仕事の本質が見えていなかったり、同僚や部下に責任を押し付けたりしています。
- 40代以降の人
40代以降の人で組織の意思決定に参加していない人はクビになる可能性が高いです。会社は若くて成長の見込める人を安く雇うつもりでいます。40代以降の給料は高くなっているので冴えない中高年は常にリストラ対象です。
- ブラック社員
いくら注意してもミスが減らず、遅刻も多い、ムダに残業する、これらは会社にとってはブラック社員以外の何者でもありません。会社にとってマイナスな人間はいつまでも席があるとは思わないほうがいいでしょう。
会社をクビになる人の特徴を見ていると、共通しているのが「出来れば一緒に働きたくない人」になります。そして成長のない仕事の仕方をしていることがよくわかるでしょう。
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会社をクビになりたい人もいる?
会社からクビにされるといえば、とんでもないことのようですが、実際には会社からクビにしてほしいと考えている社員は少なくないのです。会社から辞めるよういわれると会社都合での退職となるのです。そうなると失業保険が2倍給付されることになり、場合によっては100万円以上の差が出ることもあります。
- 辞めさせてくれないからクビになりたい
ブラック企業などでは社員を退職させない企業が存在します。安い給料でサービス残業、心身ともに疲れ切って「辞めたい」といっても上司などに認めてもらえません。悲しい書き込みがあるので見てください。
会社を辞めたいのですが、うまく解雇に持ち込む方法を教えて下さい。
数年に渡り勤務中の圧力、言葉の暴力、給与面での圧力を掛けられ、中間管理職から一転、完全窓際まで追いやられて、ことある度に「辞めたきゃ、辞めろ!」と罵声を浴び、仕事の話すら出来なくなりました。
「明日からもう来なくていい。」と言わせれば答えは簡単なのですが、なかなかハッキリとしたクビ宣告をしてくれません。
出展:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12112873412
家族がいて辞めるに辞められず、せめて会社からクビだといわれたら転職する意志も固まるのにと言ったところでしょうか。それにしてもひどいパワハラがあるのは間違いありません。
- 特定受給資格者になるためクビになりたい
特定受給資格者とは自己都合でなく会社都合で退職した人のことをいいます。要するに自分から会社を辞めるのではなく、会社の都合で辞めさせられた場合です。特定受給資格者になると自己都合では失業保険が3ヶ月間支払われないのに対して、すぐに給付されます。
また給付期間も自己退職4ヶ月から9ヶ月と延長されるのです。そのため、自分から辞めるのではなく、会社からクビにしてもらうほうが都合がいいということになります。
- クビになるデメリット
自分から辞めたいと言わなくてもいいクビ、そして失業保険もすぐにたくさんもらえる会社都合退職ですが、デメリットもあります。それは会社都合で退職したということは、よほど能力がないか、会社にとって不都合な行為をしたかというレッテルが貼られるということです。
そのことは明らかに次の就職で不利になると考えておいたほうがいいでしょう。会社都合退職は会社の倒産という理由でもない限り、本人に問題があったと判断されることになるのです。
- 自己都合退職でも特定離職者になれば特定受給資格が取れる
ある条件が整えば自己都合退職でも、特定離職者として会社都合退職と同じ特定受給資格をととることができます。
<特定離職者となる条件>
「病気のため」
「親の介護のため」
「家庭の事情で遠方に引っ越すため」
「通勤できない場所に異動になったため」
「法定を超える残業時間のため」
「パワハラ・モラハラのため」
会社都合退職と同じ特定受給資格が取れれば給付条件が非常によくなり、当座の生活も安心です。思い当たる人はまずはハローワークで相談してみることをおすすめします。
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会社をクビになった場合の対処
会社をクビになった場合、まずは何から手を付けていいのかわかりません。会社をクビになったことのある人の事例から、対処の方法を見つけていきましょう。
- ハローワークで求職
失業保険を受け取るためにはどのみち求職をしなくてはなりません。すぐに仕事ができない場合でもまずはハローワークへ行くことになります。
- 早起きをする
会社をクビになった後、ズルズルと体調を崩してしまうケースがあります。そのようなことを避けるように健康には気を使ってください。中でも早起きは大切です。ウォーキングをするなど身体を動かすようにしましょう。
- 節約する
クビになった以上、お金は確実に無くなっていきます。徹底的に節約しましょう。ムダな買い物は一切やめるように心がけます。
- ブレインストーミングする
自己分析を改めてしましょう。そして自分の得意な事、苦手なこと、そしてできる仕事を考えてみるのです。自分について考えることは、これまで出来なかったことのひとつのはずです。
- 副業を始める
就職活動をするにしても、何らかの起業をするにしても収入確保は重要です。時間はたくさんありますので、副業をあたってみましょう。バイトなどではなくネットで探すのが時間の自由がきくのでいいかも知れません。
- ブログを書く
これまで培ってきた知識や経験をもとにブログを書き始めましょう。会社をクビになったことはデメリットだけではありません。せっかくできた時間を自分のために使えるのです。またブログでアフィリエイトをすれば、収入源とすることも可能でしょう。
◆Youtubeに動画投稿する
会社をクビになる人は、転職しても2度3度とクビになることがあるといいます。もしYoutubeが収益化できれば、会社に依存しないで生きていけることになるかも知れません。失業保険をもらっている間に、可能性のあることに取り組んで将来の助けにすることが重要です。
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