脱サラの失敗と後悔から学ぶ

脱サラする人が増えているのはなぜでしょうか。給料が増えない、やりがいがない、人間関係がうまくいかない、理由はさまざまですが脱サラ後、その人たちがどのような道を歩んだのかが気になります。

記事の目次

脱サラの失敗談と失敗例

脱サラするにはそれなりの自信と計画があったにもかかわらず、失敗という結果となった人がとても多いのです。いったい何が原因で失敗となったのか体験談を見ていきたいと思います。


過労死レベルの労働時間


45才男性

妻、子供ひとり

脱サラして会社員がいかに楽だったかを感じています。現在フランチャイズのテイクアウト唐揚げ店をオープンして1年です。店を出したのが商店街の外れということもあり、そこそこのお客様にきていただけています。おかげさまで月に売り上げは100万円を得ています。

経費を差し引くとサラリーマンの頃よりは少なくなっていますが、上司の嫌味などのストレスから逃れられたことが何よりです。問題は労働時間です。毎日夜中の2時まで仕込みをして朝は8時には店に出なくてはなりません。体がきつ過ぎていつまでもつのかと不安です。


仕事がない


38才男性独身

ウェブデザイナー

給料の安さに嫌気がさして、とくに貯金などもないまま脱サラしました。仕事は取引先だった会社などからもらう予定でしたが、仕事をもらえていたのは最初の1年くらいでその後はどんどんと依頼がこなくなり、自分が会社の名前と信用があったからやってこられたのだと、今さらながらに感じています。

ランサーズやクラウドワークスで仕事を探す毎日が続いていますが、たまに仕事があっても収入は低いです。今は月収12万円とはっきりいってギリギリです。キャッシングしながらの生活にも疲れたのでそろそろどこかに就職しようかなというのが正直な気持ちです。


社会保険料が払えない


30才男性独身

脱サラしてしばらく自営業という形でパソコン販売、メンテナンスの仕事をしていました。年商が1000万円を超えるのをきっかけに、法人化して社員も二人雇いました。これから順調に業績が伸びていけばと思っていたのですが、社会保険料の支払いが毎月大きすぎて、完全な経費倒れでした。

また法人にして3年目からの消費税も大きいです。そしてついに顧客が激減することになり、社員にはやめてもらったのですが、残ったのは借金ばかりで、この5年間いったい何をしていたのかと後悔しています。また会社員に戻ろうと考えています。

脱サラしてみて初めてわかった苦労と失敗の話でしたが、脱サラして成功するのは一説には1%くらいだそうです。99%の人は後悔しているのが現実というから、驚きます。いかに起業が難しいかがよくわかります。ですが、やはり起業する前の準備にも問題があるのではないでしょうか。

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脱サラの後悔【飲食店】

脱サラして失敗しやすい職業のひとつが飲食店です。飲食店ほどプロとアマチュアの差が大きく出る業態はありません。ところが趣味や単なる好きの延長でオープンできてしまうのが飲食店の落とし穴でもあるのです。

脱サラ、未経験での飲食店の3年以内につぶれる確率はなんと90%、それでも飲食店を起業したいと思うのでしょうか。脱サラで飲食店を経営した場合の後悔にはどのようなものがあるのかを見ていきたいと思います。


客が入らない、リピーターになってくれない


脱サラで飲食店を始めた場合、思っていたほど店に客がつかないといった悩みを持つオーナーがとても多いです。そこで、資金が底をつき始めた時に初めて「自分には飲食店が向いていない」と後悔するのです。そもそも客がつくものだと考えているところに問題があります。

飲食店のプロは店をオープンさせる前から、どのくらいの客がきて、売り上げはどこまでいくのかを判断できています。それができるのは、そうなる店が作れるからなのです。反対に脱サラで飲食業に飛び込んだ人は数字を出すことより「好きな店を作るという夢の実現」に舞い上がっている傾向があるので、立地やニーズに合わせた店づくりをせずに失敗するのです。


設備投資にお金をかけ過ぎた


脱サラで飲食店経営を始めた店を見ると、こだわるところと、こだわらないところがどうも食い違っているなと思うことがあります。割れてしまうことの多い、食器に高価なものを使っていたり、冷蔵庫など新品をいれていたりします。プロの飲食店経営者は徹底して初期投資を抑えますので什器など中古品の方が多いくらいです。

そのため客が定着するまでの期間、賃料や人件費などの固定費が持たなくなってしまい、設備投資の在り方を後悔します。


脱サラしたこと自体への後悔


脱サラして飲食店を始めたことで家庭が壊れてしまうことは少なくありません。経営がうまく言っていればいいのですが、思ったほど売り上げが立たず経済的な苦労を持ってしまうと夫婦関係は多くの場合、悪化してしまいます。

事実、脱サラをして飲食店経営がうまくいかずに離婚した夫婦はたくさんいるのです。飲食店経営は思っていなかったことの連続ですので、かなりの準備と資金なしには素人が簡単に手を出していい業界ではないのです。

会社員をしながら、従業員を雇って飲食店ができるくらいの経営能力ががあれば、あるいは成功するかもしれません。そして今の時代はインターネットで集客していかなくては飲食店ビジネスも販促戦略が立てられないでしょう。

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脱サラ失敗者の末路と後悔

脱サラで失敗したらどうなるのでしょう。「また会社員に戻ったらいいのでは」といった簡単なものではないのです。脱サラ起業し失敗したということは「仕事ができない人間」という大きなレッテルを背負うことになり、再就職も決まりにくくなります。

さらに無一文になっただけでなく、借金を抱えてしまったとしたら・・・。その後の人生のリカバリーは生半可なものではありません。


肉体労働


脱サラをして失敗した場合は、よほどのスキルや資格がない限り、再就職は難しいです。仕事がないとはいいませんが、収入がじゅうぶんに確保できる仕事は、やはり限られてきます。

手っ取り早く稼ぐとしたらやはり自動車部品製造の期間工などの危険できつい仕事につくしかありません。夜間のシフトも多くかなりの重労働となり寮に入らなければならないことも多いようです。

また外国人労働者も多くトラブルなども覚悟しておかなくてはなりません。


債務整理


債務整理とは司法書士や弁護士に依頼し借金を減額したり、支払い方法を長くしたりして負担を軽減してもらうものです。債務整理には過払い金請求や自己破産といった方法があります。

借金地獄からは解放されますが、自己破産ではブラックリストにのってしまい5年くらい借り入れが不可能となるデメリットがあります。過払い金請求をした金融機関については期間の定めなく融資が受けれないと考えておきましょう。


夜逃げ


自己破産をした場合、小額ですらキャッシングできずに家賃が支払えなくなり、夜逃げするしかなくなります。そう言った場合、ネットカフェを転々としたり、野宿をしたりし、日雇いを探しながら日々、食べるものを手に入れなくてはなりません。

金融業者に見張られているため家族や友人との連絡もとれず、最終的に市役所のあっせんする共同入居所に入り労働を受け入れなくてはなりません。


生活保護


生活保護とは「国民の健康で文化的な最低限度の生活保護」であり生活に困窮するものを救う制度です。高齢者や母子家庭、障がい者にとっては生きていくために重要な制度なのですが、若い健常者が生活保護を受ける場合は「不正受給者」として見られ、蔑視されることが多いです。

そのため日本では収入が最低生活費を下回っていても受給しないケースが多いといいます。お笑いタレントの親が生活保護をうけていることが発覚してバッシングを受けたことが記憶に新しいですね。

それでも、脱サラに失敗し、うつとなって働けない場合は生活保護を受けるしかないのです。

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