子育てにはかなりお金がかかるというけれど、具体的にはどのような内訳になっているのでしょうか。子育てに関するお金のあれこれを見ていきたいと思います。
記事の目次
子育て費用【年齢別】
子育て費用には生活費と教育費があります。生活費に関しては概ね違いはないものの、教育費となると家庭によってかなりの格差があるのが現実ですね。そして子供の年齢によってもかかる費用は違ってきます。
- 0~3才にかかる費用
生まれたばかりの赤ちゃんは医療費が無料であるので、あまり費用がかからないと思われがちですが、意外にも様々な買い物をする必要があるのです。
◆食費……36万円
◆衣服……20,000円
◆哺乳瓶……3,000円
◆バギー……18,000円
◆チャイルドシート……10,000円
◆イベント……30,000円
◆玩具・DVD・本……50,000円
◆消耗品……360,000円
合計:851,000円
この場合は母親が仕事をせずに育てた場合です。託児所や保育園を利用すると200万円以上となることもあります。
- 4~6才にかかる費用
4才になると幼稚園に通わせることになります。公立の幼稚園の場合と私立の幼稚園の場合とでは100万円近くの差が出てくるでしょう。
◆食費……360,000円
◆衣服……180,000円
◆イベント……30,000円
◆公立幼稚園……700,000円
◆私立幼稚園……1,500,000円
公立幼稚園・合計:1,270,000円
私立幼稚園・合計:2,070,000円
さらに月1万円の習い事を3年間させたとしたら36万がプラスで必要になります。
- 7才~12才にかかる費用
◆食費……720,000円
◆衣服……180,000円
◆イベント……50,000円
◆公立小学校……2,000,000円
◆私立小学校……9,000,000円
公立小学校合計:2,950,000円
私立小学校合計:9,950,000円
小学校でも月1万円の習い事を6年間すればプラスで72万円かかってきます。
- 13才~15才にかかる費用
◆食費……1,08,000円
◆衣服……180,000円
◆イベント……50,000円
◆公立中学校……1,500,000円
◆私立中学校……4,000,000円
公立中学校合計: 2,810,000円
私立中学校合計:5,310,000円
中学校では食費が大きくなってきます。月に3万円くらいはいくのではないでしょうか。さらに塾や習い事をプラスするとさらに100万円かかってきます。
- 16才~18才にかかる費用
◆食費……1,08,000円
◆衣服……180,000円
◆イベント……50,000円
◆公立中学校……1,300,000円
◆私立中学校……3,000,000円
公立高等学校合計: 2,610,000円
私立高等学校合計:4,310,000円
- 生まれてから高校を出るまでにかかった費用
◆すべて公立の場合……9,491,000円
◆幼稚園・小学校・中学まで公立の場合……12,191,000円
◆すべて私学の場合……22,491,000円
あらためてすごい金額が必要だということがわかりました。これを知ると子供を作らないという選択をする人の事情も理解できるかも知れません。高校を出すまでにかかる費用は1000万円近くに、私学であれば2000万円を超えるというのは驚きです。しかもこれはひとりっこの場合です。2人3人の家庭はかなり裕福でないと子供は育てられないことになります。
子供一人の教育費は大学までで1000万円必要だといわれていますが、生活費も入れるとなるとその倍はみておかなくてはならないのです。国や自治体は子育てを支援する助成金などの支援をしています。各自治体の支援制度をよく調べて利用するなどして大学へ進学するための費用の助けになるように工夫が必要です。
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子育て費用【大学まで行かせるなら】
高校を卒業させるまでにかかった費用というのは莫大なものでしたが、大学ではさらにお金が必要になります。大学も公立か私立かによって、さらに文系か理系でも費用が違ってきます。また遠方の大学に進学することになり一人暮らしをするとなると親の負担は相当なものになることが考えられます。
- 大学の費用
◆国公立(自宅通学)……4,600,000円
◆国公立(一人暮らし)……10,000,000円
◆私立文系(自宅通学)……6,800,000円
◆私立文系(一人暮らし)……12,300,000円
◆私立理系(自宅通学)……8,200,000円
◆私立理系(一人暮らし)……13,700,000円
※日本政策金融公庫「教育費に関する調査結果平成27年教育費負担の実態調査」参考
一人暮らしとなると月にして約12万円近くは負担が大きくなります。また国公立と私学ではずいぶんと違いがでてくるようです。特に私立理系では特別に学費の積立などをしていなければ進学できないでしょう。
- 大学に行かせるために必要な貯金
大学進学までに500万円ほどの貯金ができているのが理想的だと言われていますが、500万円貯めるにはどのようなスケジュールが必要でしょうか。月に5万円貯めるとしたら年間60万円です。これなら8年とちょっとで貯めることができますね。子供が10才になる少し前から毎月5万円を貯めると安心して進学させることができることになります。
月に5万円はちょっとしんどいというご家庭の場合、月3万円では約14年かかります。この場合ですと幼稚園に入る頃から貯金を始めればいいことになりますね。
- 学資保険を利用する
途中で解約せずに積立できるようなら学資保険を利用するのがお得になります。特に返戻率の高い分割受け取りのない大学進学時の一括受け取りタイプを選ぶといいでしょう。また医療特約などをつけると返戻率は下がってしまいますので注意が必要です。
一般的には学資保険と貯金を併用して大学費用を作るというご家庭が多いでしょう。15,000円を学資保険で、残り15,000円は貯金でというパターンです。
少子化になりほとんどの子供が大学へ進学する、「大学全入時代」ですので子供が生まれたら大学へ行かせる準備を早々に始めなくてはなりません。奨学金制度を利用して子供が就職してから返済するというケースも増えていますが、できれば借金を背負わせずに勉強させてやりたいものです。
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子育て費用【平均と内訳】
子育て費用をまとめてみるとものすごい額でとても子供は作れないと思う人もいるかもしれませんが生活費などは月々でいえば、さほど大きなものではないのです。ポイントは出費がまとまる進学時のお金の作り方になるでしょう。
- 子育て費用の平均と内訳
子育て費用の平均は子供の年齢によっても違いますが、気をつけてみていただきたいのはあくまで平均ということです。子育てにかける費用は家庭によってかなり格差があります。データは中央値ではありませんので、実際には平均値よりも低いのではないでしょうか。
◆0~3才……月55,277円(学費:月10,000円・生活費:月45,277円)
◆4~5才……月45,556円(学費:月18,333円・習い事:月1,111円・生活費:月26,111円)
◆小学生……月51,667円(学費:月8,333円・習い事:月6,667円・生活費:月36,667円)
◆中学生……月80,833円(学費:月17,500円・習い事:月15,833円・生活費:月47,500円)
◆高校生……月103,333円(学費:月40,000円・習い事:月9,167円・生活費:月54,166円)
◆大学生……月191,667円(学費:月109,167円・習い事:0・生活費:月82,500円)
やはり大学になってからの子育て費用がとても負担となることがわかります。そのため大学になるまでに少しでも貯金をする必要性がでてくるのです。子育て期間中にかかった費用の総額の内訳は次のようになっています。
◆学費……900万円
◆習い事……130万円
◆生活費……1,340万円
合計……2,370万円
※財団法人こども未来財団「子育て家庭の経済状況に関する調査研究」
子育て費用といえばついつい教育資金に関心が集まってしまいますが、生活費の方が大きいのも注意点です。日常の小さな出費さえ気をつけなくてはならなくなります。さらにレジャーや校外活動などで実際にはもっとお金をかけている家庭もあるでしょうが何にどのくらいかけるかは慎重に検討しなくてはなりません。
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子育て費用【必要な貯金と年収】
- 子育てに必要な貯金と年収
財団法人こども未来財団「子育て家庭の経済状況に関する調査研究」では、こども一人を育てるのに必要な費用は2,370万円と試算されています。大学を出るまでの22年間で割ると年間約108万円子供に必要だということになります。
一般家庭の生活費を月30万円とした場合には生活費は年間360万円です。合計すると468万円ですので最低でも468万円の年収が必要だということになりました。でもこれでは、子供の結婚費用や老後の貯金は含まれていませんね。
では生活費と大学費用を分けてみましょう。学費900万円のうち500万円が大学の費用ですので2370万円-500万円=1870万円
1870万円÷18年間=104万円
子供を育てるのに高校を卒業するまでなら毎年104万円、生活費360万円と合わせて464万円の年収と500万円の貯金が進学用に必要ということになります。
- 出産前から貯金は必要
これまで子供が生まれてからの話をして参りましたが、生まれてからしっかり教育費を貯金していくためには出産前から貯金をすることが重要になります。なぜなら出産は助成金ですべて補えないのです。
例えば出産育児一時金として42万円支給があったとします。しかし分娩は深夜になることが多く予定より高くかかることが多いのです。しかも妊娠中の妊婦健診費もけっこうかかってしまいます。結局、10万円くらいは自分のお金で支払うことになることが多いです。
その上、第一子である場合は購入しなくてはならないものもバカになりません。そのため最低でも出産前に50万円は貯金しておく必要があるのです。そうして貯金しておくことができれば、出産後すぐに教育資金の貯金が始められます。
- 独身の時から貯金を
こうして考えると、貯金はいくらあっても足りないような気がします。そのためまだ結婚の予定がなくてもとにかく貯金をすることがとても大事です。忘れてはいけないのは自分たちの親の時代と今は違うということ。
親の時代は年功序列、終身雇用で給料も年齢とともによくなっていっていました。しかしこれからは大企業も人件費を削減、いつ非正規雇用として働く立場になるかも知れないのです。できるだけ若いうちから少しでも貯金をしていく習慣を身につけておくことが大切だと言えるでしょう。
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子供を育てるのにかかるお金【総額】
- 子供3人なら9,000万円
子育てにかかるお金は2,370万円という試算がありましたが、習い事は1万円以下がひとつくらいで生活費も最小限のものでした。実際にはスポーツをしたいというかもしれませんし、留学したいと言いいだすかも知れません。そのため子供を育てるのにかかるお金はざっくりいって1人3,000万円だと考えていてちょうどいいくらいでしょう。
2人なら6,000万円、3人なら9,000万円です。なるほど、なるべくして少子化となっているように感じます。それどころかひとりっこですら、育てるのは至難の業です。贅沢をさせるつもりはなくても、貧しい思いはさせたくない、そう考えるのが親ですよね。
- 親たちの考え
子育ての費用について親たちがどう考えているか世間の声を聞いてみたいと思います。皆さんの声から進学に対しては決して楽観的でないことがよく伝わってきます。
◆「大学まで通わせると思うと、塾や進学に対しての費用が膨大」(49歳/インテリア・住宅関連/営業関連)
◆「年収800万円くらいあれば食費や衣料品と、教育費を心配なくかけられると思う」(32歳/その他/その他・専業主婦等)
◆「子どもの進路を検討する際に、金銭面での余裕がないと、進路も狭まってしまう可能性があるから」(39歳/流通・チェーンストア/販売・サービス関連)
◆「私立にでも通おうものなら、いくらいるか分からないから」(52歳/建設・土木/事務・企画・経営関連)
◆「子どもの望む職業に就くにあたり、留学や進学費用が相応に必要になるから。予算の見通しが立たない」(43歳/建設・土木/事務・企画・経営関連)出展:https://news.mynavi.jp/article/20161017-a123/
- 収入を増やしていく
今はまだ、実感はないかも知れませんが、子供を持つとお金がないことで親として引け目を感じるようになります。学校生活で、クラブ活動で、進学でも、結婚でも常にお金は現実問題なのです。
そのような引け目を感じないためにもこれからは収入を増やしていく、わずかでもお金を作っていく努力が必要になってくるのではないでしょうか。転職やダブルワークも収入を増やす方法です。また副業として仕事を始めることもしておきたいと思います。
さらに稼ぎたいならブログアフィリエイトやYoutube といった方法もあります。ブログアフィリエイトやYoutubeはすぐにお金になる仕事ではありませんが、将来において家計を助けてくれる可能性はじゅうぶんにあるのです。
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