老後の生活について最近では若い人も考えるようになってきました。年金はじゅうぶんにもらえるのか、自分たちはどのような老後を送るのか、これからの日本の不安材料だといえるでしょう。今日は老後について考えてみたいと思います。
記事の目次
老後のために、ゆとりある暮らし方をまず学ぼう
老後のゆとりある暮らしとはどのようなものでしょうか。ゆとりのない老後はけっして「幸せ」とはいえませんね。人生の最後、誰だって幸せでいたいものです。
- ゆとりある老後の暮らし:栄養バランスのとれた食事
近所に住む一人暮らしのおばあさんは年金だけでは暮らしていけず生活保護費を受給していると耳打ちしてくれました。日本は「健康で文化的な最低限度の生活を保障する」として生活保護制度があり経済的に困っても文化的な生活ができる素晴らしい国だといわれています。
しかしそのおばあさんの現実は月末になるとモヤシだけで食いつないでいるそうなのです。またスーパーでたまに見かけるおじいさんはいつも特売のカップラーメンをひとつだけカゴに入れてレジにならんでいます。そんな情景を見て思うのは、この国がとても豊かだとはいえないのはないかということです。
モヤシだけ、カップラーメンだけの食事はどう考えてもゆとりある暮らしとはほど遠いものです。ゆとりある老後の暮らしとは栄養バランスのとれた食事ができる暮らしであるべきでしょう。
- ゆとりある老後の暮らし:こぎれいな身なり
年をとると服装などへの興味もなくなり「着られるのであれば何でもいい」というシニアが少なくないそうですが、町で見かけると、服装の格差がとても大きいように思います。こざっぱりした質のよさそうなカーディガンを羽織っている人もいれば、破れかけたズボンをはいている人とさまざまです。
ご老人ファッションをしげしげと見ているわけではありませんが、ぱっと見た瞬間、貧乏くさいイメージの人とこぎれいな身なりだなと思える人に分かれています。ゆとりある暮らしにはやはりこぎれいな身なりが必要だと他人を見ていて感じるのです。
- ゆとりある老後の暮らし:孫にはお年玉
ゆとりある暮らしの象徴は子供や孫に囲まれることです。同居でなくてもお正月やお盆には親族で食卓を囲みたいもの。老後にはそんなことが大きな楽しみのひとつになるでしょう。そんな時にもてなしの料理を用意できるくらいのお金のゆとりは持っていたいと思いませんか。また孫にもちゃんとお年玉をあげられるおじいちゃん、おばあちゃんでいることも大事です。
ゆとりある暮らし方とは、ぜいたくではなくごく普通の人並みの暮らしではないでしょうか。しかしその人並みの暮らしさえ送れないシニアが増えているのです。わたしたちもあらためて自分たちの老後を考えなくてはなりません。
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ゆとりある生活を老後に送れる人・送れない人
ゆとりある老後を送れる人と送れない人に分かれるという現実をどのように受け止めますか。「自分は送れる」といえる人は15%にも満たないといいます。また2人に1人は生活保護以下の年金で暮らしていかなくてはならないのです。
- ゆとりある老後を送れる人
ゆとりある老後を送れる人はわずかだといわれていますが、それはじゅうぶんな資産を持った「お金持ち」ということです。一般的に高収入を得ている人でも貯蓄をしっかりとしているかといえば、そうでもない場合が多く質素に老後を送ることになるでしょう。ゆとりある老後を送れるのはじゅうぶんな貯金をし、不測の事態が起きても対応できるだけの資産運用をしている人ということになります。
◆子供が収入を得て独立している
子供が経済的に自立できないため、老後の暮らしに困窮するというケースが増えています。そのためじゅうぶんに貯金をしたつもりでいても、どんどんと目減りしていき、ついには底をつくのです。ゆとりある老後を送るためには子供がしっかり収入を得て独立している必要があります。
◆健康であること
健康であれば定年後も再雇用などで働き収入を得ることができますが、病気になってしまえば働くことはもちろん、経済的にもピンチを迎えてしまいます。入退院を繰り返すようであれば、とても暮らしを楽しむことなどできません。ゆとりある老後は健康の上で成り立つのです。
- ゆとりある老後が送れない人
ゆとりある老後が送れないといわれているのは、厚生年金に入っていない国民年金だけの世帯だといわれています。よほどの備えがない限り国民年金だけでは生活をしていくことは無理なのです。ゆとりどころか生活自体がままならない可能性が大きいといえるでしょう。
◆将来設計をしていない
一番の問題が老後のシミュレーションができていないことです。「なんとかなるだろう」「貯金がぎりぎりいけるだろう」という感覚では暮らしていけません。老後の生活費や必要経費を計算し、今からでも将来設計しておきましょう。
◆資産を持っていない
自宅のローンが終わっているという人はまだ安心感があるでしょう。しかし賃貸で暮らすとなれば家賃の支出は深刻です。物価が上がっている可能性もありますので生涯、高い家賃に苦しむことになります。家を購入すれば修繕というリスクもありますが、売るという選択肢がありますのでまだましです。
具体的に見ていくとゆとりある生活を老後に送れる人というのはごくわずかということが具体的にわかります。また健康でいることがいかに重要かも痛切に感じられました。
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ゆとりある老後にはシンプルな暮らしがいい?
ゆとりある老後を送るためにはとにもかくにも貯蓄です。使えるお金は出来るだけ貯蓄にまわし、少しでも早く資産運用することが重要になります。そのため暮らしを見直す必要がでてくるのです。
- 固定費・変動費の見直し
固定費とは毎月決まって出ていく支出です。固定費を見直すことで大きく節約することができます。家賃、駐車場代、携帯代、保険料、お小遣いなどです。変動費とは水道光熱費や食費、交際費、被服費、レジャー費になります。家計簿を洗い出して削れるところを貯金に回しましょう。
- お金を貯めるためのシンプルな暮らし
ゆとりある老後のために大切なことはシンプルな暮らしをして、少しでもお金を残すことです。そのために最初におすすめしたいのが断捨離になります。
断捨離とは物を断つことです。
断……入ってくるいらない物を断つ
捨……家にずっとあるいらない物を捨てる
離……物への執着から離れる
まずは家の中の入らないものを捨て去りましょう。捨てることで必要のない物がはっきりと認識でき、次に物を買うことを抑制できますので効果的です。また断捨離によって快適な空間が確保でき、そうじもしやすくなるので風水的にも金銭面でご利益があるでしょう。
- お金を使わないシンプルな暮らし
お金を使わないシンプルな暮らしは「ミニマリスト」というライフスタイルになります。ミニマリストとは「最小限主義者」のことです。必要最小限の物しか買わない、置かない、使わない生活です。反対語はマキシマリストといわれ「必要そうな物があれば全部手に入れる」といったところでしょう。
ミニマリストは哲学的にもおしゃれな生き方とされていて、最近ではミニマリスト宣言する人も増えているのです。老後になると必要になるお金は増えていきます。介護もそうですが食べ物にしてもお惣菜などを買うことが増えるでしょう。そのためいくら貯金をしていても、節約生活を心がけなくてはいけないに違いありません。
今からいらないものは買わないというミニマリスト生活を始めておけば、老後になってからも自然とムダなものを買わない暮らしができるのではないでしょうか。ムダなものを買わない習慣がゆとりある老後には大切ですね。お金だけでは得られない楽しみを見つけるのも「心のゆとり」になるのではないかと思います。
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ゆとりある老後に必要な生活費と内訳
ゆとりある老後といっても3000万円の貯金で可能だったという人もいれば、1億円あっても足りなかったという人もいます。それぞれの事情や家庭の在り方で必要な生活費はさまざまだといえるでしょう。これまではじゅうぶんだといわれていた貯金額でも寿命が延びていることで、その限りではなくなりました。
高齢者の貧困が社会問題となってきている今、自分たちの老後の生活に何にいくら必要なのかを知っておく必要があります。若いうちだからこそ老後に備えてしておけることをやっておきたいですね。
- 老後に必要な生活費と内訳
総務省統計局の家計調査(夫65才以上、妻60才以上)によると1ヶ月の平均支出額は26万8907円となっています。これは住居費を16,000円として計算してあるので、賃貸であればさらに支出が増えることになります。夫婦で賃貸に住めば30万円以上の生活費が必要であると考えなければなりません。さらにプラス5万円でようやくちょっとしたゆとりを持つことができるでしょう。
では内訳を見てみましょう。
◆税金・社会保険……29,422円
◆食費……60,000円
◆交際費……29,000円
◆交通・通信……27,000円
◆教養・娯楽……26,000円
◆水道高熱費……21,000円
◆住居……16,000円
◆保険医療……150,000円
◆家具・家事用品……10,000円
◆被覆・履物……7,000円
◆その他……28,000円
月に生活費30万円プラス5万円でゆとりある老後が送れるとして、65才~95才の30年間にいくら必要になるかというと・・・
35万円×12ヶ月×30年間=1億2600万円
このうち夫がサラリーマンで厚生年金、妻が国民年金を受給すると世帯では月に約20万円受け取れます。すると老後必要な金額はおよそ5400万円です。貯金と退職金で5400万円がまかなえれば、最低限のゆとりある老後が送れるということです。しかし国民年金だけの場合ですと事情は違ってきます。
またこのまま高齢者が増え続け、若者が減っていけば、今、受給できると思っている年金もどうなるかわかりません。さらに受給開始時期の引き上げなどがあった場合、無収入期間ができてしまうことも考えられるのです。
受給開始時期は67才とも68才ともいわれていますので、その年まで現役で働くことを予定しておかなくてはなりません。年金を頼りにせずにゆとりある老後を送ろうと思えば、やはり1億円の貯金が必要なのではないでしょうか。
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ゆとりある老後の資金を蓄えるために
ゆとりある老後の資金を蓄えるためには出来るだけ若いうちからの貯金が必要ですが、住宅費や教育費など大きなお金は他にも必要です。老後資金を作ろうと思うなら、それぞれ別々に積み立てをする必要があります。
- 確定拠出年金
確定拠出年金とは老後資金を作るひとつの方法です。企業型と個人型とがあり、個人型はiDeCo(イデコ)と呼ばれていて聞いたことがある人も多いでしょう。投資信託の老後資金版といえばイメージしやすいかと思います。
個人で積み立てて運用するイデコは税金の控除があるのでお得になるのと60才になるまで引き出すことができないので、確実に老後資金を貯めるには適しているのです。デメリットは運用期間が長いので手数料に注意が必要になります。
- つみたてNISA
つみたてNISAとは20年間で最大800万円まで非課税となる投資信託です。年間の投資額は40万円までですので、毎月3万円を積み立てている人が多いです。投資する対象は金融庁のお墨付きの公募株式投資信託と上場株式投資信託(ETF)に限定されていますので、安定した利回りと安心のリスクヘッジで運用されています。
- 権利収入・印税・広告収入を作る
老後資金を蓄えるために副収入を継続的に得るという方法も抱き合わせでしておくと、なお安心です。たとえば駐車場として賃料が入ってくるような土地やワンルームマンションをローンを組んで購入するという不動産から老後の資金を得るという方法です。積立にするのが得か、資産を手に入れるのが得かはそれぞれの判断になります。
次に印税ですが、老後にも収入が入り続けるよう本を書いたり、音楽を作ったりする方法です。才能が求められるかもしれませんが、チャレンジしている人は少なくありません。広告収入というのはブログアフィリエイトやYoutubeに動画を投稿することで得られる収入です。
過去に作った制作物が老後資金として役に立つのであれば、若いうちから少しずつでも準備を始める価値があります。これらの収入は老後になっても継続的に入ってくることになるのです。
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