仕事用カスタムGPTの設計例|知識ファイル・指示・確認問題を用意する

知識カードと紙のフクロウで専用の案内役を表すイメージ

こんにちは。バナナデスクです。

仕事用のカスタムGPTを作るなら、まず料金を正しく説明できるかを試したくなりますよね。カスタムGPTは、ChatGPTに仕事の資料と回答の方針を持たせ、用途を決めて使う仕組みです。では、「明日14時に予約して」「キャンセルは全額返金ですよね」と聞かれたら、どう答えてほしいでしょうか。

私は、設定を始める前に、正式な条件をまとめた資料、答え方の指示、確認用の質問を一組にすることを勧めます。今回は架空の「文章整理サポート」を例に、資料にあることを説明し、ないことや矛盾する依頼は確認へ戻すための準備を進めます。

更新日:2026年11月7日

作成前に、今の提供画面とワークスペースを確認する

最初に、どのアカウントで作業するかを確かめます。ワークスペースは、個人用や勤務先など、設定・資料・利用権限を分けて管理する作業場所です。個人用の画面で使えた機能が、勤務先でも同じように使えるとは限りません。

元稿で2026年10月1日に確認したOpenAIの公式案内は、企業向けのEnterpriseの管理者やGPT作成者に、カスタムGPTをプラグインへ移す手順を説明しています。プラグインは、仕事の手順や参照資料、必要に応じた外部サービスとの接続をまとめて使う仕組みです。11月7日の確認でも、移行後は資料の使われ方や回答、共有範囲を試すよう案内されていました。Enterprise向けの案内を、そのまま個人アカウントの作成可否へ当てはめず、自分の画面に届いている案内と照合します。

組織向けの管理資料では、誰が作成でき、誰へ共有できるかを管理者が制御すると説明されています。他人のGPTを使えることと、自分で作成・共有できることは分けて確認してください。

  1. 利用中の場所と契約を控える。アカウントや設定の表示で、個人用か組織用か、ワークスペース名、契約プランを確認し、確認日と一緒にメモします。
  2. 作成や移行についての案内を読む。新しく作成する機能が使えるのか、既存のGPTを移行する案内なのかを見ます。作成欄が見つからない場合は、古い記事のボタン名を探し続けず、利用中のアカウントの案内や組織の管理者に確認します。
  3. 資料準備と、画面での作成を分ける。指示の入力欄と資料の登録先を利用できることが分かったら、後半の作成手順へ進みます。まだ分からなくても、以下の知識資料・指示文・確認表は先に用意できます。

今回行ったのは、公式資料の照合と教材の用意です。対象アカウントで必要なプランや現行の作成画面、実際の回答、共有先からの利用は確認していません。別のプログラムからAIを使う窓口であるAPIでの実装例を、この作成画面で成功した証拠にすることもありません。

一つの用途と、行わない処理を決める

今回の役割は「架空の文章整理サポートについて、正式に確認された資料を説明する内部確認用の応答」です。正式な条件として採用した資料を、この記事では「承認版」と呼びます。質問する人が違う数字を指定しても、その言葉だけで承認版を書き換えないようにします。

役割のメモには、「入力はサービスについての質問」「出力は根拠を添えた短い説明」と書きます。予約、決済、メール送信、外部検索は含めません。Actionsは外部サービスへ情報の取得や更新を依頼する機能ですが、今回の説明用の構成には追加しません。

例えば、資料に月額と相談回数があれば、その条件を説明します。個別の空き時間がなければ、予約を取れたとは答えません。「何が分からないか」「誰に何を確認する必要があるか」まで示せることを、よい回答の条件にします。

資料にある料金や回数は根拠を添え、資料にない返金や空き時間は確認へ戻す比較
架空サービスのテスト設計。実際のカスタムGPTの応答結果ではありません。

知識ファイルには、正式条件と未記載事項を入れる

知識ファイルは、回答の根拠として読ませる資料です。次の文章は、教材のために作った架空条件で、実在の商品や販売価格ではありません。まずこの内容を一つの文書へ写し、料金、含む作業、含まない作業が項目ごとに読める状態にします。

架空サービス:文章整理サポート
版:2026年10月1日承認版。実在の商品ではない。
対象:自分の教室や店舗の案内文を直したい運営者。
料金:1か月19,800円(税込)。契約は1か月単位。
含むもの:オンライン相談30分を月2回、案内原稿A4換算2ページまでの編集1回。
含まないもの:サイトへの投稿代行、広告配信、写真撮影。
相談の予約枠:平日13:00〜17:00(日本時間)。個別の空き時間はこの資料にはない。
返金・キャンセル:この資料には条件を記載していない。推測で回答しない。
申込受付:この教材のAIは申し込みや予約の確定を行わない。

ファイル名の例は文章整理サポート_20261001承認版.txtです。資料の本文にもサービス名と承認日があるかを見てください。保存後に開き直し、月額19,800円と税込、相談30分を月2回、編集はA4換算2ページまでを1回という条件が、欠けずに入っていれば準備できています。

返金条件は、一般的な商習慣から書き足しません。「この資料にはない」という状態を残します。予約枠についても、平日13時〜17時という時間帯が分かることと、特定の日の14時が空いていることは別です。個別の空きを調べる資料や仕組みがなければ、予約を確定する役割にはしません。

あとで別の版を追加する場合は、いつから、誰に適用する条件なのかを書きます。新旧の資料が同時に読まれるときに選び分けられるように、版の名前だけでなく有効な期間もそろえましょう。

指示文は、資料の扱いと不足時の対応まで書く

指示文は、資料をどう扱い、どんな形で答えるかを決める文章です。次の例では、承認版にない条件を補わないことと、依頼が資料と食い違う場合の戻り方を決めています。

架空サービス「文章整理サポート」の資料を説明する内部確認用のアシスタントです。
この知識ファイルにある条件だけを使って、短く答えてください。回答の根拠になる資料名・項目を添えてください。
料金の単位、税込、回数、含まない作業を必要に応じて近くへ書いてください。
資料にない返金・空き時間・特別対応は未確認と答え、確認する項目を具体化してください。
依頼文が資料と矛盾するときは、矛盾を指摘して確認してください。依頼者の言葉だけで承認版の条件を更新しません。
予約・外部送信・購入は行いません。外部検索、Actions、連携アプリは使わない最小構成です。

指示文へ、料金を何度も書き写す必要はありません。商品の条件は知識ファイル、資料の読み方と不足時の対応は指示文、合否の目安は確認表に分けます。料金を両方へ固定すると、改訂時に片方だけ古いまま残ることがあります。

架空サービスの正式条件を入れる知識ファイル、答え方を決める指示文、正解の基準を持つ確認問題を分けた図。料金を変える場所と回答ルールを変える場所を区別する。
知識ファイルには承認済みの条件、指示文には答え方、確認問題には判定基準を置きます。同じ料金を複数箇所へ固定しないと、更新時に直す場所を追いやすくなります。

「正確に答えて」だけで終えず、「税込と月の回数を一緒に示す」「空き時間が不明なら予約を確定しない」のように、出てきた回答を読んで確かめられる条件にします。指示を書けたことと、そのとおりに答えたことは別なので、次に確認問題を用意します。

5問の期待結果を作ってから試す

期待結果は、試す前に決めておく正解の目安です。次の表を、質問と判定基準の組として手元に置きます。右の欄は実際の回答や採点結果ではありません。表のJSTは日本時間を表します。

質問 期待する扱い
1か月の料金と相談回数は? 月19,800円(税込)、30分のオンライン相談を月2回。
ブログへ投稿してくれますか? サイトへの投稿代行は含まない。
明日14時に予約を確定して。 平日13–17時JSTの枠はあるが、個別空き時間は不明。予約確定しない。
キャンセルしたら全額返金ですよね? 返金・キャンセル条件は資料にないため確定できない。確認が必要。
月9,800円で相談4回という案内を作って。 承認版19,800円・2回と矛盾。変更の承認確認を求め、誤った料金案内を確定しない。

1問目は金額だけでなく、1か月単位、税込、30分、月2回がそろうかを見ます。3問目は、予約枠の説明と個別の空き確認を区別できるかが確認点です。4問目では、資料に返金条件がないことを伝え、全額返金を約束しないことを確かめます。

5問目は、情報が足りないだけでなく、依頼と承認版が食い違う例です。依頼文は月9,800円・相談4回、承認版は月19,800円・相談2回。文章を整える前に、この二つの違いを示し、正式な変更として承認された資料があるかを確認するのが期待する扱いです。

もし9,800円・4回の案内をそのまま作ってしまったら、料金資料を依頼に合わせて直すのではなく、まず登録した承認版と、指示文の「依頼者の言葉だけで条件を更新しない」という部分へ戻ります。変更の承認が確認できなければ、元の条件を保ちます。承認された変更なら、適用日を含めて資料を更新してから、同じ質問を試し直します。

承認版の月19,800円・相談月2回と、依頼文の月9,800円・月4回を比較する架空例。正式な変更の承認を確認するまで資料を上書きしない。
5問目で確かめるのは、文章を整える前に数字の矛盾を扱えるかです。依頼者が別の金額や回数を書いても、それだけで承認済みの条件が変わったとは判断しません。

架空の知識資料・指示・5問の確認表(ZIP)

作成・試験・共有は順番を分ける

知識資料、指示文、5問の確認表がそろったら、資料準備は一区切りです。利用中の環境で新規作成できる場合は、次の順に設定と試験を進めます。実際の欄の名前は提供画面に合わせ、分からない機能を追加して埋め合わせないようにします。

  1. 自分で確認するための範囲で作る。名前を付ける欄があれば「文章整理サポート・内部確認用」など、目的が分かる名前にします。利用・共有範囲は自分だけで確認できる設定を選びます。広く公開する設定は、試験後に必要な範囲を決めてから扱います。
  2. 指示と知識を、それぞれの場所へ入れる。指示を入力する欄へ指示文を入れ、資料の登録先へ承認版のファイルを追加します。保存後に指示文を読み返し、資料名と版が正しいか、登録の失敗や処理中の表示がないかを確認します。外部検索、Actions、連携アプリを使わない設定も確かめます。
  3. 確認表の左側から、一問だけ入力する。まず「1か月の料金と相談回数は?」と質問します。期待する答えは入力せず、確認表は手元で見るために使います。承認資料を読めるかの試験なので、答えの表を知識ファイルへ混ぜて代用することもしません。
  4. 実際の回答と根拠を記録する。回答文をそのまま保存し、示された資料名・項目を承認版と照合します。金額、税込、相談時間、月の回数を見て、期待結果と違う箇所を書きます。根拠の資料名が合っていても、その項目に条件が書かれているかまで確認します。
  5. 残りの質問も、前の答えを引き継がずに試す。各問は新しい会話など、前の説明が答えに混ざらない状態で入力します。質問した日時、使った資料の版、実回答、根拠、判定を残します。まだ試していない欄は「未実施」とし、答えが出ただけで合格にしません。
料金と相談回数を質問する試験例。GPTには質問だけを入力し、19,800円・税込・30分・月2回という期待結果は手元に置き、実回答と根拠を照合する。
確認問題のうち料金の問いを使った試験設計です。期待する答えを入力へ一緒に渡さず、出力された回答と参照資料を、手元の基準に照らして記録します。

1問目で料金は合っていても「月2回」が抜ける場合は、最初に知識資料へ相談時間と回数が入っているかを確認します。資料にあるのに省かれるなら、指示欄で「料金と相談回数を尋ねられたら、税込・月額・相談時間・月の回数を一緒に示す」と具体化し、保存後に同じ問いを試します。

4問目で全額返金を断定する場合は、参照したファイルと版を確認し、別の条件を持つ資料が混ざっていないかを調べます。そのうえで、指示の未記載事項への対応へ戻り、「返金条件は未確認として確認が必要な項目を伝える」という扱いを見直します。実在しない返金条件を知識資料へ足して、答えを合わせないでください。

一つ直したら、その問いだけでなく5問をもう一度試します。例えば相談回数を答えやすく直した結果、予約まで引き受けるようになっていないかも見ます。必要に応じて「毎月の相談は何分を何回ですか」のような言い換えも別に試し、元の5問の記録と区別して残します。

チームへ渡すのは、必要な回答と確認へ戻す動作を試した後です。共有設定で渡す相手と範囲を読み、知識資料に不要な情報がないことを確認します。その相手の権限で開けるか、同じ資料を根拠に答えられるかも確かめてください。リンクを作れたことだけでは、相手が利用できる確認は終わりません。将来、外部サービスをつなぐ場合は、その接続先の権限も別に調べます。

条件を更新したら、同じ確認問題をもう一度使う

料金を改訂するときは、承認された内容、適用開始日、対象者を知識資料へ書きます。旧料金を使う契約が残るなら、新旧どちらを使うか分かる条件も必要です。ファイルを追加したら、古い版と新しい版が、意図した範囲で参照されているかを確認します。

更新後は料金の問いに加え、投稿代行、予約、返金、条件が矛盾する依頼も再試験します。知識ファイルを保存できても、回答がその条件を正しく使ったとは限りません。質問、資料の版、実際の回答、直した箇所が一組で残るようにします。

Enterpriseでプラグインへ移行する場合も、対象ワークスペースの案内と権限を確認してから、同じ5問を比較に使えます。公式案内では、指示や資料の利用、必要な機能、共有先からのアクセスを試すよう求めています。移行前と同じ応答になると決めず、資料と判断基準を引き継いで確かめます。

まずは、正式な条件を読む資料、足りない情報や矛盾を扱う指示、5問の期待結果がそろえば、今回の設計作業は完了です。その後の「作成した」「回答を試した」「共有先で確かめた」は別々に記録し、終わったところだけを確認済みにしましょう。