顧客満足度アンケートの作り方|点数だけで終わらせない質問と集計例

アンケート用紙と回答カードを整理した紙の立体イメージ

こんにちは。バナナデスクです。

「満足度は4点でした」と分かっても、次のサービスをどこから直すかは決まりません。説明が分かりやすかったのか、時間が足りなかったのか、期待した資料がなかったのか。点数が同じでも、中身は違います。

満足度アンケートは、良い点数を集めるためより、次に直す箇所を見つけるために作ると役立ちます。質問を作る前に、「次回は説明内容を直すのか、当日の進め方を直すのか」を一つ決めましょう。

ここでは60分のオンライン相談を仮の対象に、6問のアンケートと集計例を作ります。回答データは計算のために作った架空のものです。実際の顧客満足度やサービスの実績ではありません。

一問で評価してもらう対象を一つにする

「説明と対応には満足しましたか」では、説明は分かったが返信が遅かった人が答えに迷います。「説明の分かりやすさ」と「対応の早さ」を分けると、点数の意味が読み取りやすくなります。

Pew Research Centerの質問設計ガイドも、一問に複数の概念を入れないこと、選択肢の重複を避けること、経時比較では質問文を揃えることを説明しています。小規模なサービス調査でも、この基本は使えます。

「役に立ちましたよね」のように好意的な回答へ誘導せず、使わなかった人や判断できない人の選択肢も用意します。「分からない」を真ん中の3点に押し込むと、中立の評価と区別できなくなるためです。

相談後に送る6問のアンケート完成例

冒頭の案内文は、たとえば次のようにします。

今回のオンライン相談について、次回の説明と進め方を見直すために伺います。回答は任意です。分からない項目は「判断できない」を選んでください。回答をお客様の声として公開する場合は、別途掲載内容を確認します。

質問 回答欄 何に使うか
1. 今回の相談全体には、どの程度満足しましたか 5 とても満足/4 やや満足/3 どちらともいえない/2 やや不満/1 とても不満/判断できない 全体の評価を同じ尺度で追う
2. 相談で説明された内容は理解できましたか 十分理解できた/一部理解できた/ほとんど理解できなかった/判断できない 説明を直す必要を探る
3. 相談時間は、今回扱った内容に対してどうでしたか 長かった/ちょうどよかった/短かった/判断できない 扱う範囲と時間配分を考える
4. この後、自分で進められそうな作業は何ですか 自由記述。特になければ「まだ決まっていない」でも可 次の作業が具体化したかを見る
5. 分かりにくかった点、進めにくかった点を一つ教えてください 自由記述。なければ空欄でも可 修正箇所を特定する
6. 回答について、運営から確認の連絡をしてもよいですか よい/希望しない。よい場合のみ連絡先 不明な内容への追加確認

6問目は販促配信への登録でも、感想掲載の同意でもありません。その目的で使うなら、別の説明と選択が必要です。評価点を送るためだけに氏名を必須にするかも、調査の目的に合わせて考えます。

架空の12件を集計する

仮に、同じ条件でサービスを利用した20人へ、利用後に一度ずつ案内を送り、集計時点までに12人から回答が来たとします。全体満足度と改善点だけを抜き出した、架空データは次のとおりです。

回答ID 満足度 改善点の要約
01 5 特になし
02 5 特になし
03 5 記入例をもう一つ見たい
04 4 用語の説明がほしい
05 4 最後の質問時間が短かった
06 4 特になし
07 4 資料を後から探しにくい
08 3 用語の説明がほしい
09 3 記入例をもう一つ見たい
10 2 申込前に想像した範囲と違った
11 1 資料のリンクを開けなかった
12 未回答 時間が足りなかった

回答回収率は12人 ÷ 20人 = 60.0%です。満足度に数値回答した人は11人なので、満足度の平均や分布の分母は11人にします。未回答1件を0点にしてはいけません。

満足度 人数 数値回答11人に占める割合
5 3 27.3%
4 4 36.4%
3 2 18.2%
2 1 9.1%
1 1 9.1%

合計点は5×3+4×4+3×2+2×1+1×1=40点。平均は40点 ÷ 11人 = 約3.64点です。4・5を「満足」とする集計定義なら、7人 ÷ 11人 = 約63.6%になります。四捨五入で分布の割合の合計が100%から少しずれることはあります。

案内20人から回答12人、数値回答11人へ対象が変わる図
架空例。回収率の分母は案内した20人、満足度集計の分母は数値回答した11人。

自由回答を、頻度だけで優先順位にしない

「用語の説明」と「記入例」は各2件ですが、「資料のリンクを開けない」は1件です。件数だけなら後回しに見えます。しかし資料を受け取れない不具合なら、他の人にも影響している可能性があるため、先にリンクと権限を確かめます。

論点 まず行う確認 確認後の対応例
資料が開けない 配布URL・権限・有効期限を確認する 不具合なら修正し、必要な受講者へ案内する
想像した範囲と違う 申込時の説明と実際の対象範囲を照合する 不足していた条件を事前案内へ足す
用語が分からない どの用語か、許可がある回答者へ確認する 該当箇所に平易な説明を加える
質問時間が短い 説明と質問の配分、扱った項目数を見る 説明項目を絞り、質問の枠を先に確保する

自由回答を分類する時は、原文を残し、分類名と対応を別の欄に書きます。「資料が開けない」を勝手に「操作が苦手」と読み替えると、直すべき権限設定を見失います。

少ない回答で言えることを限定する

この仮例では、案内した20人のうち8人の評価が分かりません。回答した人だけが満足していた、または不満のある人ほど答えた可能性も残ります。「利用者全体の63.6%が満足」とは言わず、「数値回答した11人のうち7人が4か5を選んだ」と記します。

次回と比べるなら、質問文、選択肢、送る時期、集計まで待つ日数を揃えます。平均が上がっても、提供内容や対象者が違えば、改善施策の効果と即断はできません。

まずは、不具合を一つ直し、説明を一つ足す。その変更日と理由を残し、次の同条件の回答で見返します。点数を飾るのではなく、何を確かめて何を変えたかが分かる調査にしていきましょう。