ペルソナの作り方|想像のプロフィールから、相談前の状況が分かる読者像へ

複数の読者メモを見比べる紙のカードと拡大鏡のイメージ

こんにちは。バナナデスクです。

ペルソナの年齢、趣味、休日の過ごし方まで埋めたのに、記事の見出しは何も変わらない。そんな時は、プロフィールを詳しくする方向を一度止めてみてください。

「40代の事業者」より、「問い合わせには答えているが、サービスに含まない作業を毎回説明し直している人」の方が、次に渡す記事を考えやすくなります。年齢が不要なのではありません。今決めたい文章と関係する情報を、先に選ぶということです。

ここでは、相談サービスの読者像を、資料・根拠・文章変更の三つをつないで作ります。例の読者資料はすべて架空です。実際に顧客調査を行った結果ではありません。

まず、ペルソナを使って何を決めるかを書く

ペルソナは、ユーザーの状況や目的をまとめ、判断時に思い出せるようにした人物像です。最初に「記事で何を説明するか」「LPのどこへ条件を置くか」など、使う場面を一つ決めます。採用広報と商品説明では、必要な材料が違うからです。

Nielsen Norman Groupの整理は、チームの仮説をまとめるプロトペルソナと、インタビューなどに基づく定性的なペルソナを区別しています。仮説から始めること自体よりも、それを調査済みの事実として扱うことが問題になります。

この記事の例で決めるのは、「個別サービスの説明文を整えたい読者向けに、何を先に説明するか」です。性格、年収、家族構成は、この判断との関係を説明できないため、最初の表には入れません。

資料を、観測したこと・解釈・未確認に分ける

説明用に、次の三つの資料があったと仮定します。

仮の資料 書かれていること そのまま言えないこと
相談メモA 問い合わせ時に「修正は何回までですか」と聞かれた すべての顧客が修正回数を重視している
案内文B 「丁寧にサポート」とあるが、対象作業の一覧がない 説明不足が申込減少の原因である
運営メモC サービス説明を案件ごとにメールで書き直している 書き直しに何時間もかかっている

「質問が来た」は出来事ですが、「顧客が不安を感じた」は解釈です。本人がそう話したなら発言として記録できますが、こちらが想像しただけなら分けておきます。この区別を省くと、資料を読み返した時に推測の出発点が分からなくなります。

事実、仮説、未確認を分け、文章変更へつなげる図
読者像は固定のプロフィールではなく、資料を基に文章を判断するための整理。

相談前の状況が分かるペルソナの記入例

仮の読者像:説明範囲を揃えたい個人サービス提供者

項目 記入例 根拠・状態
今していること 個別の依頼を受け、メールでサービス内容を案内している 資料Cに対応する仮定
検索のきっかけ 修正回数を聞かれ、案内文へどこまで書くべきか迷った 資料Aから作った仮説
読後にしたいこと 含む作業・含まない作業・変更時の相談方法を一枚にする 資料A・Bからの編集上の仮説
既にあるもの 提供できるサービスと、現在使っている案内文 資料B・Cに対応
避けたいこと 全商品を作り直すこと、実績を大きく見せること 未確認。本人への質問が必要
記事が先に答えること 修正回数と、内容変更の違いをどう書くか 今回の制作判断

名前や顔写真がなくても、何に困り、どんな完成物が必要かは共有できます。逆に、ここへ「慎重な性格」「高所得」のような根拠のない形容を足すと、それを理由に文体や価格を決めてしまうおそれがあります。

人物像を作ったら、記事とLPを実際に書き換える

読者像が役立つかは、作った直後に一つの文章へ適用すると分かります。以下は同じサービス範囲のテーマを、前提が違う二人へ説明する編集例です。

読者の状態 記事の見出し案 先に渡す例
提供内容をまだ決めていない 初めての相談サービスで、提供範囲を決める方法 相談前・当日・相談後の作業を分ける表
既に販売し、説明のズレが出ている 「どこまで対応しますか」に答えるサービス範囲の書き方 含む作業・追加になる変更を明記した案内文

今回の仮ペルソナには後者を選びます。商品をゼロから考える長い説明より、今ある案内文を直したいからです。ただし、検索データでこの二人の割合を確認したわけではありません。見出しを変える理由と、需要の実測は分けて考えます。

LPの文章なら、次のように変えられます。

変更前:丁寧なサポートで、あなたの事業を支えます。

変更後の例:現在のサービス案内文を一緒に確認し、「含む作業」「対象外」「追加相談が必要な変更」を1枚に整理します。料金設計そのものや、契約書の作成は今回の対象外です。

文章が具体的になった分、提供側にも実際にその成果物を渡せる必要があります。ペルソナに合わせるために、存在しないサービスを足してはいけません。

BtoBでは、利用する人と判断する人を混ぜない

法人向けサービスで、担当者は「更新を楽にしたい」、承認者は「追加費用と運用責任を確認したい」と考えているなら、一人の人物にまとめると説明がぼやけます。担当者には作業手順、承認者には費用・責任範囲・導入日程が必要かもしれません。

この場合は、同じ案件に「利用担当」「承認担当」の欄を分けます。組織の肩書だけで判断権限を決めつけず、実際の確認経路を聞いてください。詳細な架空プロフィールを二人分増やす必要はありません。

情報が増えたら、人物像より先に根拠表を更新する

後の聞き取りで「修正回数より、返事をもらえるまでの日数を知りたい」と分かったとします。この一件だけで人物像全体を置き換えず、「回答日数の説明が必要」という新しい論点を記録します。他の相談記録や現在の案内文でも確かめ、必要なら見出しへ加えます。

更新履歴は「10月15日:返信予定日の質問を追加。理由は新しい相談記録。全顧客に共通するかは未確認」のように残すと、変更の理由を追えます。定性的な少数の聞き取りから、顧客全体の割合まで言わないことも大切です。

最初の一枚ができたら、今書いている記事の導入を読み返してください。その人がすでに知っている説明を長く繰り返していないか。知りたい条件が後ろに隠れていないか。人物像を細かく飾るより、その一箇所を直す方が、読者へ届く変化になります。