商品コンセプトが決まらないときの整理法|「できること」を頼めるサービスに変える

同じスキルから三つのサービス案を作り一つを確認する紙模型

こんにちは。バナナデスクです。

「文章も書けるし、表計算もできる。人に説明するのも嫌いではない。でも、何を商品にすればよいか決まらない」。できることを書き出しても、サービス名が増えるだけで、一つに選べないことがあります。

例えば「スプレッドシート作成代行」なら、作業は伝わります。でも、誰がどんな場面で頼むのかは、まだ見えません。「オンライン教室の申込者と参加確認を、一つの表で照合できるようにする」まで進めると、確認すべき相手も、作る見本も具体的になります。

商品コンセプトが決まらないときは、自分の能力の名前から、相手が困る場面と受け取る完成物へ言い換えることから始めます。ここでは、同じスキルから三案を作り、何を基準に最初の案を選ぶか、記入済みの例で考えます。

コンセプトは、気の利いたキャッチコピーより先に決めるもの

「あなたの可能性を広げる」「ビジネスを次の段階へ」といった言葉だけでは、サービスの中身を決められません。魅力的な名前を考える前に、誰が、何を受け取り、どう使うかを説明します。

J-Net21は、事業コンセプトを起業アイデアの具体的な構想として整理し、対象、商品・サービス、提供方法をまとめると説明しています。ここでも、その骨格を使います。独特な言い回しを先に作るのではなく、第三者が頼む仕事を想像できる状態へ進めます。出典:J-Net21「事業コンセプトの書き方」

コンセプトを一文にするときは、「誰の」「どの場面の」「何を」「どうする」を入れます。例えば、「オンライン教室を初めて開く人が、申込者の受付と参加確認を照合できるよう、手作業の管理表と使い方メモを作る」です。最初から短く美しくなくても、仕事の範囲が読めれば構いません。

なお、コンセプトが具体的になったことと、需要が確認されたことは別です。この段階で作るのは、確かめる対象が明確な仮説です。言葉が完成しただけで「売れる商品ができた」と扱わないようにします。

できることを、相手が受け取れる作業へ分解する

今回の架空例では、表計算を使って情報を整理し、使い方を説明できる人を想定します。専門資格が必要な判断、複雑なシステム開発、個別の財務助言は扱いません。

能力の名前を、依頼できる作業へ言い換える例
能力の名前 実際にできる作業 確かめておく限界
表計算ができる 項目を揃え、入力欄と確認欄を分け、簡単な集計を作る 扱えるデータ量、関数や自動化の範囲
整理が得意 重複した記録や、確認漏れが起こる場所を洗い出す 業務の判断そのものは依頼者へ確認する
教えられる 記入済みの見本と、一回分の操作手順を作る 継続サポートの時間や対象
文章が書ける 項目の意味、入力のタイミング、間違えた場合の戻し方を説明する 専門分野の事実は適切な資料や担当者で確認する

「できる」と書いた作業は、自分用の簡単な見本で一度確かめます。関数を知っていることと、他の人が誤入力しても使える形にできることは違います。説明メモまで作ってみると、引き受けられる範囲が見えます。

また、AIやテンプレートを使う場合も、最終的に自分が確認できる範囲へ留めます。見たことのない式や処理をそのまま納品する前提で、提供範囲を広げないようにしてください。ここでの棚卸しは、肩書を増やすためではなく、責任を持って渡せるものを確かめるためです。

同じスキルから三つの商品案を作る

次は、表計算のスキルを異なる場面へ当てはめた架空の三案です。どれが人気かを測定した表ではありません。何を調べれば選べるかを比較するための材料です。

同じスキルを三つの課題へ商品化した仮案
案 対象と困る場面 受け取るもの 最初の不明点
A:受注一覧の整理 複数のメールから、受注内容と納期を転記している制作業者 受注一覧と、受付時の入力手順 既存の管理サービスでは足りない理由があるか
B:教室の参加確認表 小さなオンライン教室で、申込者と参加者を照合している運営者 一回分の開催に使う管理表と確認メモ どの時点で照合が必要か、手作業の表で十分か
C:記事編集の予定表 記事の調査・執筆・確認を複数人で担当する小規模チーム 記事ごとの担当と確認状況を追う表 担当者間の運用を揃える支援まで必要か

三案とも「表を作る」ですが、相手の仕事、必要な確認、受け取るものが違います。ここを混ぜて「何でも管理できる便利な表」にすると、誰に見てもらえばよいか分からなくなります。

まずは一案ずつ、依頼する場面を想像して文章にします。Aなら「納期の転記漏れを防ぐための受付一覧が欲しい」。Bなら「教室が終わった後、参加確認ができていない人を確認したい」。Cなら「公開前に誰が根拠を確認したか分からない」。言い換えると、単なる機能の一覧から離れられます。

表を整えるスキルが受注確認、参加確認、編集進行の三つの商品案へ分かれる図
能力の名前だけで選ばず、誰がいつ使う完成物なのかまで具体化します。

最初に選ぶのは、最も大きく見える市場とは限らない

候補を選ぶとき、想像した市場規模だけで点数をつけると、根拠のない数字が精密に見えてしまいます。初期は、対象に話を聞けるか、完成物を小さく試せるか、自分が範囲を守って提供できるかを確かめます。

三案から最初の検証対象を選ぶ架空の比較
判断軸 A:受注一覧 B:参加確認表 C:記事編集表
対象の仕事を確認できるか 業種で受付方法が異なる。対象をさらに絞る必要 一回の開催前後を確認する設計にできる 複数担当者への確認が必要
小さな見本にできるか 一件の受付は試せるが、全体条件の整理が残る 架空の開催一回・少数行で試せる 担当の交代を含む運用例が必要
対象者へ確認できる見込み 協力を依頼できる相手は未確認 教室運営者へ調査協力を依頼する方法を検討できていると仮定 チームの参加調整が未確認
今回の扱い 対象業種を絞るまで保留 最初の聞き取りと試作品の候補 担当間の運用条件を確認するまで保留

この条件ならBから確かめる案を選べます。ただし、売れやすさが証明されたのではありません。最初に確認する相手と試す範囲が、ほかより決めやすいという理由です。実際にはAの対象者へすぐ話を聞けるなら、順番は変わります。

判断の欄へ「自分が好き」「将来広げやすそう」を入れても構いません。ただ、それを顧客需要の代わりにしないよう、別の軸として残します。自分が続けられることと、相手が必要とすることの両方を見ます。

提供後の負担も比べます。Bでも開催のたびに全データの転記を頼まれるなら、一回の表づくりとは違う継続業務になります。最初の納品物は作れても、その後に必要な支援を引き受けられない場合があります。購入前の説明、納品、使い始めの質問まで一度並べ、どこまでなら対応できるかを比較表へ追記してください。

選んだ一案を、依頼前に読める商品カードへ変える

Bを選んだら、次のように一枚へ整理します。曖昧なところがあれば、宣伝文句で埋めず、内部の確認事項へ残します。

参加確認表サービスの商品カード・架空の完成例
項目 記入内容
誰のためか 一回ずつオンライン教室を開催し、申込情報と参加確認を手作業で照合する運営者
困る場面 教室終了後、参加済みか確認が必要かを、複数の記録から見直している
渡すもの 受付番号、申込状況、参加確認、確認メモを一行で見られる表と使い方一枚
依頼者が決めること 参加済みと判断する条件、確認担当、記録を更新するタイミング
提供側が行うこと 決まった運用に合わせて列を整理し、架空データで入力・絞り込みの例を示す
含まないこと 決済状況の自動取得、会計処理、参加者への連絡代行、複雑なシステム連携
次に確かめること 表を使う担当者が、確認すべき行を見つけられるか。そもそも別サービスで解決済みではないか

ここには、「売上が増える」「確認漏れがゼロになる」といった、まだ確かめていない結果を入れていません。まず約束できるのは、運用に合わせた表と説明を渡すことです。その表が役立つかは、使う場面で別に確かめます。

公開する説明では、内部の未確認項目をそのまま並べるのではなく、確認を済ませて提供条件を確定します。このカードは商品を作る途中の整理用です。未確定のまま有料募集を始めるための文面ではありません。

最初の見本は、列を増やすより一回の使い方を通す

例えば、受付番号を使った架空の四行のデータを作ります。実在の参加者名や連絡先は不要です。申込済みの行から、参加確認が未確認の行だけを探す操作を、見本として示します。

参加確認表の小さな見本・すべて架空
受付番号 申込状況 参加確認 確認メモ
T-01 申込済み 確認済み 受付時の記録と照合済み
T-02 申込済み 未確認 参加時の表示名を確認する
T-03 取消 対象外 事前の取消記録あり
T-04 申込済み 確認済み 受付時の記録と照合済み

この例で確認するのはT-02です。「未確認」は欠席と同じではありません。表示名が違うなど、照合が終わっていない場合もあります。この違いを依頼者の実際の運用に合わせて決めることが、単に列を作る以外の仕事になります。

試すときは、「見やすいですか」だけでなく、「確認が必要な人を探してください」と頼みます。説明がなくても行を見つけられるか、未確認を欠席と誤解しないか、どの欄へ記録するかを見ます。ただし、この操作ができたことは、有料で買う証明ではありません。購入判断は、提供範囲や費用を示した別の確認です。

絞りすぎが心配なときは、後から広げられる部分を分ける

「オンライン教室だけにすると、お客様が少なくなるのでは」と思うかもしれません。最初の案を絞るのは、ほかの依頼を永久に断るためではなく、何を確かめるのかを明確にするためです。

同じ参加確認でも、会場イベント、会員制講座、録画講座では流れが違います。一つで得た知識を使える部分はありますが、同じ表で全部に対応できると先に約束しないようにします。次の対象へ広げるときは、違う前提を確認し、見本を作り直します。

また、サービスを絞ることと、ブログ全体をその一題だけにすることも別です。ブログでは周辺の疑問へ答えつつ、個別サービスの説明では対象と完成物を明確にできます。記事で扱う話題と、実際に引き受ける仕事の範囲を揃えて伝えてください。

一つ選んだ後は、名前を変え続けるより確かめる

コンセプトを選んだ後にも迷いは残ります。そこで毎日サービス名を変えるより、選んだ理由と不明点を残し、次の行動を一つ決めます。今回なら、対象者の現在の確認手順を聞く、既存の方法を調べる、小さな表を使ってもらう、といった行動です。

調べた結果、表を必要としていないと分かれば、別案へ戻れます。見本を作る前に説明の方向が違うと分かったなら、なおさら大きな制作を避けられます。保留したAやCも、なぜ保留したかが残っていれば、再開する条件が分かります。

まずは、できることを三つの困る場面へ言い換えてください。その中から、対象と完成物を小さく確かめられる一案を選びます。すでにLPがある場合の伝わり方は、LPの提供内容を点検する手順でも確認できます。商品名のきれいさより、相手が頼む仕事を想像できるか。そこからコンセプトは具体的になります。