AIで説明スライドを作る方法|原稿から話す順序と図を決める

紙のスライドを順番に並べて説明を整理するイメージ

こんにちは。バナナデスクです。

AIに「この原稿をスライドにして」と頼むと、文章を5等分して貼ったような資料になることがあります。情報は入っているのに、話を聞く相手はどこを見ればいいのか分からない。ここで直したいのは、デザインより先に、画面と説明の役割です。

例えば「担当者が不在なら当番に戻し、別の担当を一人決める」という条件は、削ってはいけません。ただ、担当決定の流れを見せるページへ全部詰め込む必要もありません。基本の順序を図にし、不在時の扱いを次のページと発表者ノートへ分ければ、説明を追いやすくなります。

この記事では、架空の「問い合わせの受付返信」を題材に、同じ原稿から文字の多い初稿と修正版の5枚を制作しました。編集可能なPowerPoint、閲覧用PDF、ノート原稿を使って、AIへの渡し方と直す順序を説明します。

最初に決めるのは、聞き手が最後に答える一問

説明スライドは、聞き手に判断してもらうことを先に決め、必要な根拠と条件を順番に見せて作ります。AIへ原稿と枚数だけ渡すと、文章の長さを整える作業になりやすいからです。

今回の聞き手は、4人の制作チームの責任者です。答えてほしいのは「問い合わせへ翌営業日までに受付返信をする運用を、2週間試すか」。営業日は月曜から金曜で祝日を除く、という条件も原稿に固定しました。顧客への最終回答を翌営業日までに終える提案ではありません。

この違いが、資料の分かれ道です。「返信を早くする」という曖昧な要約にすると、受付の連絡と問題の解決が混ざります。AIに渡す時点で、何を約束するかを一文にしてください。

原稿の材料 今回の記入例
相手と判断 チーム責任者が、2週間の試行可否を決める
現在の困り方 担当が曖昧だと、二重返信と返答待ちの見落としが起こりうる
行うこと 当番が担当を一人決め、担当者が受付返信を作る。送信前に送信済み欄を確認する
含まない約束 翌営業日までの問題解決、返信率や作業時間の改善保証
残す記録 受付時刻、担当者、受付返信時刻、次回連絡予定

すべて説明用に作った架空条件です。原稿には「1日15件」という仮定も置きましたが、今回の決定に必要ないため修正版の画面から外しました。数字があるだけで説得材料になるとは限りません。

5枚の役割を決めてから、本文を配る

今回の構成では、まず提案する運用を示し、受付返信の意味をそろえ、その後に作業と例外を説明します。最後に相手が決める項目へ戻ります。5枚はこの題材のために選んだ枚数で、AI資料の最適枚数という意味ではありません。

枚数 画面の役割 読んだ後に分かること
1 問い合わせの受付返信 翌営業日までに返す運用を2週間試す提案
2 受付返信で伝えること 受信したこと、担当者、次の連絡予定。最終回答の期限は別に決める
3 担当を決めてから受付を返す 当番、担当者、送信前の確認の順序
4 担当不在と返信済みへの対応 担当の振り直しと二重返信の防止
5 試行を始めるための決定事項 試行の可否、当番と代行者、振り返り日時

原稿を短くする前に、この順序を点検します。2枚目の区別がないまま作業図へ進むと、聞き手が「回答の期限」と受け取ったまま話を聞くかもしれません。先に解消したい誤解を、説明の前半へ置くわけです。

AIには、画面・ノート・未確定条件を分けて依頼する

次の依頼文は、自分の原稿へ差し替えて使えます。今回のように決定に必要な条件を渡せるなら、AIの自由な補完よりも、原資料との対応を優先します。

添付した原稿だけを材料に、責任者が「翌営業日までの受付返信を2週間試すか」を判断する5枚の説明資料を作ってください。各枚について、見出し、画面に載せる文、発表者ノート、元原稿の対応箇所を分けて出してください。受付返信と最終回答を区別し、営業日の定義と担当不在時の扱いを落とさないでください。数字・成果・予算・担当者名を追加しないでください。決まっていない条件は質問として別にまとめてください。

生成された見出しを先に読みます。「効率化の重要性」「未来への一歩」のように、この題材でなくても使える見出しなら、実際に説明する物事へ戻します。今回なら「担当不在と返信済みへの対応」のほうが、何を聞くページか分かります。

次に、ノートを読まなくても画面の主張が過大になっていないかを見ます。例えば画面に「翌営業日までに解決」と出して、ノートだけで「受付返信のことです」と補足するのは直すべきです。意味を変える限定は、画面にも残します。

文字の多い初稿を、順序と例外の説明へ直す

比較用の初稿3枚目には、当番が未担当を見て、担当を一人決め、受付文を作り、送信済みを見て、時刻を残す説明を一段落で載せました。文章自体が間違いでなくても、聞きながら全文を追う必要があります。

修正版では、画面を「当番:担当を一人決める」「担当者:受付文を作る」「送信前:送信済みを確認」の図にしました。矢印は作業順を表します。3人を新たに置く図ではないので、その説明をノートへ入れています。

画面には担当を一人決める、ノートには不在時の扱いを残す比較図
例は架空の受付返信運用。意味を変える条件は画面にも残し、詳しい説明をノートへ分けます。

ノートには、例えば次のように残します。

毎朝9時に当番が未担当の問い合わせを確認します。担当は一人に決めます。その担当者が受付文を作り、送る前に対応表の送信済み欄を確認します。すでに送信されていたら重ねて送りません。送信後は時刻を残します。図の矢印は作業順で、別々の3人が必ず必要という意味ではありません。

発表者ノートは話すための補助です。PowerPointではスライド下のノート欄へ記入でき、発表者ビューで話し手が参照できます。Web版とデスクトップ版では発表時の扱いが異なるため、使う環境の説明を確認してください。Microsoft公式の発表者ノートの説明でも両者を分けています。

完成見本と、書き出した後の点検箇所

見本のZIPには、同じ原稿から作った初稿と修正版のPowerPoint、各5ページのPDF、元原稿、発表者ノートのテキストが入っています。PowerPointの文字・図・ノートを自分の条件へ編集できます。

5枚のスライド初稿・修正版とノート(PowerPoint・PDFのZIP)

今回の見本は、対話型AIで原稿・構成・配置を制作し、ファイル生成機能でPPTXへ組み立てました。PPTXを再読み込みして全5枚を描画し、文字の欠け、ページ数、図の矢印を点検しています。PDFはその描画画像から作った閲覧用で、文字の検索・編集にはPPTXまたは同梱のノートを使ってください。PowerPointの実アプリでの動作や、別の端末でのフォント再現まで確認したものではありません。

MicrosoftのPDF保存ガイドでは、利用環境ごとの書き出し方を説明しています。自分の端末で書き出す場合も、元のPPTXを開いただけで終えず、渡すPDFそのものを開きます。特に、ノートを含める設定なのか、スライドだけを渡すのかを確認してください。

点検するもの 今回の見る場所
約束の意味 1〜2枚目の受付返信が、最終回答や解決の保証へ変わっていないか
図の向き 3枚目が当番から送信前確認へ進む順序か
例外 4枚目の返信済みで止めるのは追加の受付返信。必要な最終回答まで止めないか
書き出し後 5枚あるか。文字・矢印・改行が見えるか。相手が必要なファイルを開けるか
実際に話す時 ノートを読んだ時間と、質問を受ける余裕を別に確かめる

見本では、実際の発表時間や聞き手の理解度までは測っていません。使う前に一度声に出し、聞き手に「受付返信と最終回答はどう違うか」を説明してもらうと、何を直すべきか見つけやすくなります。

AIへ渡す原稿が決まったら、まずは「最後に何を判断してほしいか」を一文にしてみてください。その答えに関係しない情報を外し、条件を落とさず置き場所を変える。そこまでできると、図や配色も説明のために選べます。