LP制作会社の選び方|同じ依頼書で提案・修正範囲・運用を比較する

同じ依頼書の横に異なる範囲の提案フォルダを並べた紙の模型

こんにちは。バナナデスクです。

LP制作の見積もりが、A社は19万8,000円、B社は15万4,000円。見た目の好みが近ければ、B社を選べばよいのでしょうか。A社は原稿整理とフォームの受付確認まで含み、B社は原稿支給・画面制作のみなら、同じ仕事の金額ではありません。

依頼先を比べる前に、自分が何を渡し、どこから依頼したいのかを揃えると、見積もりの読み方が変わります。「よい感じのページを作ってほしい」だけでは、会社ごとに違う完成形を想像するからです。

ここでは、架空の相談サービスの依頼書を一つ作り、二つの架空提案を比較します。実在する制作会社の順位や相場を示す記事ではありません。

各社に渡す依頼書を同じ版にする

比較用の依頼書には、目的だけでなく、自社で用意できるものと、相手へ任せたい作業を書きます。次は相談サービスの案内LPを作る例です。

項目 依頼書 v01・架空例
目的 サービス範囲と料金を理解した人が、相談内容の確認フォームへ進めるページを作る
対象 個人で相談業を営み、既存のサービス案内文を整理したい人
入口 関連ブログ記事と既存読者への案内。広告運用の委託は含めない
支給できる資料 料金表、提供条件メモ、著者プロフィール、利用許可のある画像2点
依頼したい作業 資料の不足確認、原稿整理、PC・スマホの配置、実装、フォーム接続、受付確認、公開
フォーム条件 氏名・連絡先・相談内容を入力。入力不備と送信後の案内、担当者側の受取を確認する
編集環境 既存WordPress。バージョン・テーマ・追加機能は着手前に共有して対応可否を確認
公開条件 料金・提供範囲を自社が承認。PCとスマホ表示、リンク、フォームの往復確認を完了する
納品物 公開ページ、編集可能な原稿、画像原本と利用条件一覧、操作引継ぎ資料
日程と変更 素材確定日と確認担当を双方で決めて工程を確定。追加機能は別見積もりとする案

フォームへ本物の顧客情報を流して確認する必要はありません。検証用の氏名や受信先などを決め、実案件の情報が外部に出ない方法で確認範囲を合意します。

原稿・表示・フォーム・受付の4工程を自社と制作会社で分担する図
制作一式の金額だけでなく、公開条件まで誰が行うかを揃えて比較する。

「一式」の中身を成果物と作業で分ける

Atlassianのプロジェクト範囲の解説では、成果物だけでなく、対象外や制約を明らかにする考え方が示されています。LPでも、ページが表示された状態と、問い合わせを受け取れる状態では完了条件が異なります。

打ち合わせでは「フォームもお願いします」ではなく、「入力、エラー表示、送信後画面、受付側の受信まで、どこを確認しますか」と聞きます。設置は含むが受信設定は自社担当、という提案もあり得るので、分担を表へ戻します。

同じ依頼書に対する2案を読み比べる

以下の金額と条件は、比較練習用に作った仮例です。相場や実在社のサービス内容ではありません。

比較項目 A社案:198,000円(税込) B社案:154,000円(税込)
原稿 支給資料から構成・文章を整理。提供条件は自社が承認 完成原稿を支給。文章の誤記修正のみ
スマホ 主要2幅で表示確認し、表とボタンも確認 スマホ対応と記載。確認幅と対象は未記載
フォーム 指定フォーム接続と検証用送信、担当者受信まで確認 外部フォームへのリンク設置。フォーム作成・受信確認は対象外
修正 デザイン初稿後、まとめた依頼を2回。合意内容との不一致は別扱いで協議 修正2回。回数の数え方と対象は未記載
編集データ 原稿と画像原本、操作資料を納品 公開ページを納品。元データの扱いは未記載
公開後 公開から14日間の不具合受付。新しい要望は別途 公開時に完了。保守は別契約

この条件なら、B社の金額だけを見て「44,000円安い」と結論にしません。依頼書の原稿整理とフォーム確認を自社でできないなら、別の手配や追加費用が必要だからです。B社の未記載項目も「対応しない」とは決めず、確認します。

提案後に送る確認質問の完成例

ご提案ありがとうございます。依頼書v01との対応について、以下をご確認いただけますか。

1. 原稿整理とフォーム作成・受信確認を追加する場合、担当範囲、追加金額、日程への影響をご提示ください。対応外の場合は、自社側で用意すべき状態をご指定ください。

2. 「スマホ対応」には、どの幅で、文字・表・ボタン・入力欄を確認する作業が含まれますか。

3. 修正2回は、こちらでまとめた修正依頼一式を1回と数える理解でよいでしょうか。合意した仕様との不一致と、こちらの追加要望の扱いも確認したいです。

4. 納品する編集データ、素材の利用条件、公開後に自社で更新する方法をご説明ください。

5. 素材提出や承認が遅れた場合、公開日をどう調整しますか。回答を反映した範囲表を双方で確認してから着手したいと考えています。

回答が「すべて対応できます」だけなら、範囲表へ具体的に追記してもらいます。担当者の説明と見積書の記載が食い違う状態で進めないようにします。

実績は、似た画像より似た条件を聞く

制作実績を見る時は、相談サービスであることだけでなく、原稿を誰が作ったのか、フォームを誰が管理していたのか、納品後に誰が更新したのかを尋ねます。公開されたデザインだけでは、その会社が担当した範囲までは分かりません。

改善率や売上の数字を示されたら、対象、期間、比較条件、関与した施策を確認します。広告の変更や商品価格の変更も同時に行っていれば、LP制作だけの効果とは判断できません。公開できない実績の詳細を無理に求めるより、条件を匿名化した説明や作業範囲で検討する方法もあります。

自社の不足を埋める提案を選ぶ

今回の仮例で、自社に原稿を完成させる人もフォームを検証する人もいないなら、A社案の範囲が目的に近いと判断できます。ただし、B社が追加範囲を明示した再提案を出せば、改めて同じ条件で比べます。

逆に、自社に原稿担当と運用担当がいて、画面制作だけを依頼したいなら、B社案の分担が合う可能性があります。高い方が安心、安い方がお得と決めず、「公開条件まで誰が担当するか」が空欄にならない提案を選びましょう。