AI翻訳の使い方と選び方|業務資料を用語集と原文で確認する

二つの冊子にある条件の印を黄色い橋で結ぶイメージ

こんにちは。バナナデスクです。

日本語のサービス案内を英語にしたら、とても自然な文章になった。でも「申し込みを受け付けました」が「予約が確定しました」に変わっていたら、読者への約束は違うものになります。

AI翻訳で先に確認したいのは、英語らしさだけではありません。誰に、何を、いくらで、どの条件で提供するのかが、原文と一致しているかです。短い案内なら、価格や受付日時のような動かしたくない条件を先に抜き出すだけでも、確認する場所がはっきりします。

今回は、架空サービスの日本語原文と英訳を全文掲載します。扱うのは日本語から英語への短いサービス案内です。契約、医療、法律に関わる専門翻訳の品質を判断する記事ではなく、翻訳サービス全体の精度順位を決める比較試験でもありません。

AI翻訳を選ぶときは、作業の種類を分ける

海外ツールの説明を自分が読む場合と、顧客へサービス条件を伝える場合では、確認の重さが変わります。前者は概要をつかんで必要な原文を読む用途です。後者は、誤った価格や期限を相手に伝えないための照合が必要になります。

作業 選ぶときに見る点 受け取った後の確認
短い文章を訳す 対応する言語、入力上限、用語を指定できるか 固有名詞、主語、否定、数字
PDFやWordを訳す その形式の対応、ファイル数・容量の制限、書式の保持 表の列、脚注、画像内の文字、改ページ
繰り返す案内を訳す 用語集の保存・共有、利用する端末との関係 前回と同じ名称・条件を保っているか
システムから自動で訳す APIの別契約、料金単位、処理エラーの扱い 原文と訳文の対応、失敗時の再実行

同じ会社のサービスでも、通常の翻訳画面とAPIは別プランの場合があります。DeepLの公式案内でも、Translatorの契約に翻訳APIの利用が含まれるわけではないと説明されています。無料枠の数字を見つけても、それがブラウザー版なのかAPIなのかを確かめてから判断します。

無料・有料の条件は、地域と支払い周期まで見る

2026年10月1日にDeepLの公式料金ページをブラウザーで開き、地域を日本にして確認したところ、Individualは年払いの月額換算1,150円、月払いは1,380円でした。いずれもページの注記は税込です。年払いの換算額は1,150円×12=13,800円ですが、購入画面の最終請求額を確認したものではありません。

同ページにはIndividualの上限として月300,000文字、月3ファイルが示されています。無料版のあるサービスでも、必要なファイルを扱えるか、用語を保存できるか、入力内容がどう扱われるかは別に確認します。金額や条件は変更されるため、申し込む時点の日本向け表示と利用条件を読み直してください。ここで試用申し込みや購入はしていません。

翻訳料金が低くても、毎回固有名詞を直したり、表の崩れを修復したりするなら作業は残ります。自分が繰り返す短い資料を一つ選び、出力と原文を比べられる状態で試すと、必要な機能を見極めやすくなります。

訳す前に、原文の曖昧さを減らす

次はこの記事のために作った、架空の「ミチシルベ・レビュー」の案内です。実際の販売案内ではありません。料金、受付期間、納期の起点、対象外の作業をあえて明記しています。

ミチシルベ・レビューは、小規模な教室の案内ページを見直す単発サービスです。

対象は日本語の案内ページ1ページで、料金は19,800円(税込)です。

申し込みの受付期間は2026年11月4日午前9時から11月6日午後6時まで(日本時間)です。

改善提案のPDF1点と、30分のオンライン説明を含みます。オンライン説明は録画しません。

必要な資料がすべてそろってから5営業日以内に、改善提案の初稿をお送りします。営業日は月曜から金曜で、日本の祝日を除きます。

サイトへの実装、追加ページのレビュー、広告の運用は含みません。

自動返信は申し込み内容を受け取った連絡であり、予約確定ではありません。担当者が内容を確認して予約確定のメールを送ります。

「5日以内」だけでは、申し込みからか、資料がそろってからかが分かりません。日本語の時点で曖昧なものを、翻訳AIが英語で確定させると約束が増えてしまいます。担当者に確認できない条件は、原文に確認事項を残し、確定した案内に混ぜないようにします。

短い用語集を作る

原文の用語 今回の英語表記 固定する理由
ミチシルベ・レビュー Michishirube Review 架空サービス名。表記を固定
教室 small teaching businesses 学校制度上の区分を補わず、小規模な教室事業の意味にする
案内ページ information page 今回のレビュー対象。サイト全体へ広げない
改善提案 recommendations 実装や制作の納品と区別
予約確定 booking confirmation 自動返信による受領と区別
日本時間 Japan Standard Time (JST) 海外の読者にも時刻の基準が分かるようにする

用語集は、すべての単語の直訳表ではありません。名称と意味のずれを防ぐための基準です。文章に合わせた単数・複数などは調整しても、サービス名や予約確定の意味は変えないようにします。

DeepLの用語集の公式資料でも、語句の訳を指定し、文法に合わせて適応する機能として説明されています。日本語と英語は掲載言語に含まれます。ただし今回の用語集は編集用に作成したものです。DeepLの画面へ登録・適用する操作を実演したわけではありません。

編集用の6項目と、製品に登録する枠を分ける

この表は日英6項目です。一方、2026年10月1日に確認したDeepLのプラン比較表では、Individualの用語数は言語ペアごとに5項目でした。このプランへ6項目をそのまま全部登録することはできません。

今回なら、サービス名の「ミチシルベ・レビュー」に加え、「教室」「案内ページ」「改善提案」「予約確定」の5項目を登録候補にする考え方があります。名称や提供範囲のずれを優先して防ぐためです。「日本時間」は編集用の表に残し、英訳の日時にJapan Standard Time(JST)があるかを原文と照合します。

登録候補を5つに絞っても、確認する条件は減りません。原文の数字・否定・時刻も含めて点検します。次の翻訳指示へ6項目の編集表を渡す方法と、翻訳製品へ保存できる用語数は区別してください。継続して6項目以上を登録したい場合は、利用時点の上限を確認してプランを比較します。ここでは登録枠の選び方までを示し、実際の登録・適用結果とは扱いません。

翻訳と編集を行った完成例

編集担当AIに、原文・用語集と次の条件を渡して初訳を作り、その後で説明の言い方を編集しました。以下は特定の翻訳製品の出力比較ではなく、この教材で作成した英訳です。

次の架空サービスの案内を、日本国外にいる英語の読者向けに訳してください。
範囲は日本語から英語へのサービス案内です。用語集にある名称と意味を守ってください。
料金、税込表示、年・月・日・時刻・タイムゾーン、納期の起点、対象外の作業を変えないでください。
原文にない成果や対応を約束しないでください。自然に書き換える箇所と、原文確認が必要な箇所は分けて示してください。

Michishirube Review is a one-time service for reviewing an information page for small teaching businesses.

The service covers one Japanese-language information page and costs JPY 19,800, including tax.

Applications are accepted from 9:00 a.m. on November 4 to 6:00 p.m. on November 6, 2026, Japan Standard Time (JST).

The service includes one PDF of recommendations and a 30-minute online session to explain the recommendations. This session will not be recorded.

We will send the first draft of the recommendations within five business days after all necessary materials have been received. Business days are Monday through Friday, excluding Japanese public holidays.

Website implementation, reviews of additional pages, and advertising management are not included.

The automatic reply only acknowledges receipt of your application and does not confirm your booking. A staff member will check the details and send a booking confirmation email.

初訳の「a 30-minute online explanation」は意味を追えますが、何をする30分なのかが少し硬い言い方でした。そこで「a 30-minute online session to explain the recommendations」へ変更し、改善提案を説明する時間だと分かる形にしました。後ろの「The online explanation」は「This session」にして対応をそろえています。

一方、金額や日付、納期の条件を、読みやすさのために削ってはいません。この編集はAIによるもので、英語翻訳者が認証した訳文ではありません。顧客へ公開する案内では、業務条件を知る担当者と英語を確認できる担当者が、原文と照合して採否を決めます。

原文・初訳・編集後の訳文・用語集をダウンロード(ZIP)

価格・日時・対象外条件を、原文と横に並べる

日本語と英語の案内で、19,800円、11月4日、実装は含まないという条件を対にして確かめる図
図は照合箇所の抜粋。税込・年・時刻・タイムゾーンなどの完全な条件は本文の対照表に掲載。
照合する項目 日本語の条件 英語で保持した内容 確認する理由
対象と料金 日本語の案内ページ1ページ/19,800円(税込) one Japanese-language information page/JPY 19,800, including tax 日本円を米ドルへ換算しない。税込を落とさない。
受付期間 2026年11月4日9時〜11月6日18時、日本時間 9:00 a.m. on November 4 to 6:00 p.m. on November 6, 2026, JST 04/11のような地域で解釈が変わる並びを避けた。
納期の起点 必要な資料がすべてそろってから5営業日以内 within five business days after all necessary materials have been received 申し込みから5日、支払いから5日には変えない。営業日の定義も残した。
内容と除外 PDF1点、30分説明、録画なし/実装・追加ページ・広告運用は含まない one PDF/a 30-minute online session/will not be recorded/are not included 「改善する」という表現から実装作業まで約束しない。
受付と確定 自動返信は受領のみ。担当者の確認後に予約確定 acknowledges receipt/does not confirm/booking confirmation email 受領の連絡を予約確定と訳さない。

この例では、日付をNovember 4と書いて月を明示し、日本時間も残しました。読み手の国が変わっても、時刻の基準を失わないためです。金額はJPYを付け、通貨の換算はしていません。

また、not includedやdoes not confirmのような否定は、文章の見た目では小さくても条件を大きく変えます。初稿から修正版へ更新した際は、直した段落だけでなく、否定と数字が残っているかも見直してください。

逆翻訳は補助にして、最後は原文と照合する

英訳を日本語へ戻すと、意味のずれに気づくことがあります。ただし、同じ曖昧さをもっともらしく戻しただけかもしれません。逆翻訳が自然だったことだけを、正しさの証拠にはできません。

英語の表現に自信がないときも、原文の「1ページ」「19,800円」「録画しない」「資料がすべてそろってから」を一つずつ抜き出せば、照合の依頼は具体的になります。「これで大丈夫?」より、「この5条件が変わっていないかを確認してほしい」と伝えた方が、見てほしい場所が共有できます。

原文そのものが曖昧な場合は、直訳・意訳の選択で解決しようとせず、担当者へ戻します。原文の条件が固まってから訳し、条件の照合が済んでから読みやすさを整える。この順番なら、AI翻訳を使っても、何を約束した文章なのかを自分で追える状態にできます。