こんにちは。バナナデスクです。
サービスの説明に「修正一回まで」と書いたのに、依頼後になって「これは一回に入るのですか」と聞かれる。提供範囲は決めたつもりでも、言葉の単位が違うと、双方に迷いが残ります。
例えば動画編集の修正なら、誤字を三か所直すのが三回なのか、まとめて送られた修正依頼を一回と数えるのかで、意味は変わります。さらに、編集側の誤字と、依頼後に内容を変えたいという希望も、同じ扱いでよいとは限りません。
サービスの提供範囲は、対象物、渡すもの、含める工程、追加の希望、提供側の不備への対応を分けて決めると説明しやすくなります。この記事では、小さな動画編集サービスを架空例に、LPの記載と受付時の確認をつなぐ設計例を作ります。契約書のひな形ではなく、約束する仕事内容を具体化するための整理です。
最初に「一件」の単位を決める
一件という言葉だけでは、引き受ける量は分かりません。動画なら、完成尺だけでなく元の素材の長さや本数、整理状態も影響します。文章なら原稿の量、相談なら扱うテーマや準備資料が必要です。
「五分の動画編集」と書いても、十五分の収録素材からまとめる場合と、十時間の素材から必要な場面を探す場合では、同じ仕事になりません。買い手が区別できる言葉で、入口の条件を書きます。
| 単位 | 今回の動画編集の架空例 |
|---|---|
| 受け取るもの | 連続した収録動画一ファイル、十五分以内。話す順番は確定済み |
| 作るもの | 五分以内の説明動画一ファイル |
| 行う工程 | 不要箇所のカット、音量調整、指定箇所の字幕 |
| 確認する機会 | 初稿を確認してもらい、希望する変更を一度にまとめて受け取る |
| 納品の形式 | 事前に合意した解像度・形式の完成動画。編集用プロジェクトは含めない |
ここまで書くと、素材が十六分だった場合や、完成動画を二本に分けたい場合に、追加の相談が必要だと分かります。無理にすべての例外を一律価格へ含めるより、別途確認する条件を決めておく方が、見積もりの前提が揃います。
完成したかを確かめる項目も、最初に同じ言葉で残します。今回なら、動画が一本、合意した長さと形式で開けること、指定字幕が入っていること、音声が再生されることです。「良い感じになった」だけでは確認する場所が定まりません。見た目の方向性は参考資料で合わせ、数えられる仕様は一覧で確認する、と役割を分けます。
「含む・含まない・確認後に見積もる」を分ける
含まないものを長く並べるだけでは、何を頼めるのかが見えにくくなります。最初に通常の範囲を示し、その隣に追加の判断が必要な条件を置きます。
| 項目 | 通常の範囲に含む | 追加の確認・見積もりになるもの |
|---|---|---|
| 素材 | 十五分以内の収録一ファイル | 複数カメラ、十五分を超える素材、未整理の大量ファイル |
| 構成 | 確定した話の順番を保ち、不要箇所をカット | 台本の作り直し、説明の順番の再設計 |
| 字幕 | 依頼者が指定した十か所以内 | 全編字幕、多言語化、追加の字幕デザイン |
| 素材の用意 | 共有された素材を使用 | 撮影、図解制作、追加素材の購入や権利確認を含む調達 |
| 納品後 | 納品ファイルが開けるかの確認 | 公開代行、継続的な分析、別媒体用への作り直し |
表の「追加」は、勝手に料金を加えて進めるという意味ではありません。追加希望の内容を整理し、対応できるか、費用や日程がどう変わるかを説明して、進め方を合わせる部分です。提供できない内容なら、その場で引き受ける必要はありません。
この例では、音量調整を含むとしても、録音にない言葉を復元できるわけではありません。素材の状態によってできることが変わる部分は、受付前に見本や短い確認を行います。「どんな素材でも見やすくします」のように、確認できない条件まで広げないようにします。

修正回数は、何を一回と数えるかまで書く
修正を一回にするなら、「初稿の確認後、希望する変更点を一つのリストにまとめて送ってもらい、そのリストに対応する一巡」と定義できます。これは回数の設計例であり、すべてのサービスに向くルールではありません。
重要なのは、一覧を受け取った後、何も確認せず作業を始めないことです。「明るい感じに」という要望なら、色、音楽、文字、どの部分を変えたいのかを確かめます。意図が未確定のまま一回分を消化すると、双方が違う完成を想像したままになります。
| 申し出の内容 | 整理する区分 | 確認すること |
|---|---|---|
| 字幕の文字を三か所変更したい | 希望する修正の候補 | 元の指示との違いと、まとめた変更リストの範囲 |
| 確定後に講座名が変わった | 前提情報の変更 | 影響する画面・音声・納品日を洗い出して相談 |
| 提供側が指示された日付を誤って入力した | 提供側の不備 | 確認して正しい内容へ直す。希望変更と混ぜない |
| 新しい撮影素材に丸ごと差し替えたい | 仕事の範囲が変わる相談 | 既存作業を使える範囲と、新しく必要な工程 |
「修正一回を使い切ったので、こちらの誤字も追加料金」と機械的に処理する設計にはしません。自分が約束した内容に合っているかを確認する仕事と、依頼者が新たに望む変更を区別します。実際の責任や契約上の扱いは個々の合意によりますが、少なくとも説明上は分けておきます。
回数を無制限にする場合にも、対象と期間は必要です。「この動画の指定した範囲の調整」なのか、「新しい素材への差し替えも含む」のか。無制限という言葉だけでは、仕事の上限が見えません。対応できる範囲を説明できないなら、その言葉を先に使わない方がよいでしょう。
納期は、何が揃った日から数えるかを決める
「五営業日で納品」と書く場合、いつを起点にするかで認識がずれます。最初の問い合わせ日、申込日、素材が全部揃った日では違います。資料不足のまま作業日数だけ進む予定にしないよう、起点を明記します。
今回の例なら、「必要な素材と字幕の指定が揃い、内容の確認が完了した後、初稿の日程をご案内」とします。実際に一定日数を約束するサービスなら、その日数と休業日、依頼者の確認期間を含むかを揃えます。
初稿提出と最終納品も別です。初稿を五日で出しても、その後の確認に三日かかれば、その時点で最終納品ではありません。依頼者が確認する期間、修正内容を受け取る日、再提出の予定を一本の進行表で共有すると、どこに待ち時間があるかが見えます。
公開日がすでに決まっている依頼では、最終納品の後にも、依頼者がアップロードして再生を確かめる時間を置きます。制作側の納品日だけを公開日に合わせると、受け取ったファイルを確認する余地がありません。どちらが公開作業をするのかも含めて、必要な順番から逆に予定を確認します。
返答が予定どおり届かない場合は、連絡するタイミングと、次に対応できる枠を確認します。自分の後続の予定があるのに、無期限で当初の納品枠を確保し続ける前提は負担になります。遅れが出たときに一方的な処理をせず、どこを再調整するかを先に言葉にしておきます。
LPの記載と、受付時の確認を対応させる
LPに範囲を書いていても、受付時に別の説明をすると認識が揃いません。同じ項目を使って確認できるようにします。以下は架空の案内文です。実際の販売条件として使う前に、自分が対応する内容へ置き換えてください。
| LPに載せる内容 | 受付時に確認する文 |
|---|---|
| 十五分以内の収録素材一ファイルから、五分以内の動画一本を作ります | 今回の素材は十二分、一ファイル、完成は四分程度のご希望で間違いありませんか |
| 字幕は指定した十か所以内に対応します | 指定は八か所で受け取りました。文章が未確定の二か所を確認後、作業を始めます |
| 初稿確認後の希望変更を、一つのリストで一度受け付けます | 確認用動画を見た後、時刻と変更内容を一覧にしてください。不明点は着手前に確認します |
| 追加の撮影、台本制作、公開代行は含みません | 今回ご希望の公開作業は範囲外です。納品ファイルの受け取りまでを今回の内容として確認します |
「間違いありませんか」と聞くときも、長い規約への同意だけで済ませないようにします。今回の依頼に合わせて、素材の長さ、完成物、未確定部分を短く読み返せる形にします。依頼者から修正があったら、元の記録を残しつつ、合意した最新版を分かるように管理します。
LPに必要な費用や含まれる内容を先に示すことは、利用者が依頼先を判断する材料になります。Nielsen Norman Groupの調査でも、サービスの基本費用と追加費用などの明示が扱われています。この記事の文面はその転載ではなく、架空の動画編集サービスに合わせた設計例です。出典:Nielsen Norman Group「Trustworthiness in Web Design」
範囲外の希望が来たときの返信例
範囲外と伝えるときは、「それはできません」だけで終わらせず、どの条件が変わるかを説明します。対応できる場合とできない場合を曖昧に混ぜず、相手が選べるようにします。
新しく届いた素材への差し替えについて確認しました。当初は十二分の素材一つから制作する内容でしたが、今回は追加二十分の素材を選ぶ工程が必要になります。
現在の初稿を元にした調整とは作業範囲が変わるため、追加素材から使う場面を選んだうえで、費用と日程をご案内します。先に追加作業は始めません。元の素材のまま完成させる方法も含め、進め方をご確認ください。
これは架空の返信例です。相手の希望を否定するためではなく、追加の工程がどこにあるかを説明しています。自分が対応できない場合は、その理由を業務の範囲として伝え、実際には確保していない外部担当者を紹介できるかのように約束しないようにします。
運用して分かった例外は、次の案内へ反映する
初めてのサービスで、すべての例外を予測するのは難しいものです。受けた質問や追加作業を、次の受付へ反映していきます。毎回「これは含まれますか」と聞かれる項目は、案内の位置や言葉が不足している可能性があります。
記録するのは、依頼内容、当初の範囲、追加になった工程、説明した時点、必要だった時間です。依頼者の個人情報を、改善用の記録へ必要以上に複製しないようにします。条件を変えた場合は、新しい依頼にどの版を使うかも明確にします。
提供範囲を狭めれば、常に良くなるわけではありません。必要な作業を細かく別料金にしすぎると、読者は総額や完成までの道筋を理解しにくくなります。今回の完成物までに通常必要な工程は何かを先に考え、追加が発生する条件を分かりやすくします。
まずは、自分のサービス一件について、受け取るもの、渡すもの、確認の一巡、範囲が変わる条件を書いてみてください。LPの説明と受付の確認が同じ内容になれば、依頼後の話を始めやすくなります。伝わり方の点検は、LPの提供内容を確認する手順でも扱っています。