こんにちは。バナナデスクです。
AIの回答で自分の記事が紹介されたら、次に知りたいのは「それで、ブログを見に来てくれたのか」ですよね。ところが、回答にリンクが出た回数と、GA4に記録されたアクセス数は、そのまま同じ数字にはなりません。
さらに2026年には、GA4に「AIアシスタント」という標準のチャネルが追加されています。以前の記事を参考にして、参照元のドメインを手作業で集め続ける前に、現在の分類を確認しておきたいところです。
この記事では、2026年9月30日に確認した公式仕様をもとに、AI経由のアクセスを調べる手順と数字の読み方を整理します。特定サイトの管理画面やテスト訪問の結果を示すものではありません。架空の集計表を使い、何が分かり、どこから先は分からないかまで説明します。
「AIアシスタント」に入るアクセスと、入らないアクセス
GA4の「AIアシスタント」は、認識されたAIサービスからの訪問を分類するチャネルです。2026年5月13日の公式リリースでは、対応する参照元に対してメディア「ai-assistant」、キャンペーン「(ai-assistant)」を割り当てる仕組みが案内されています。Google Analyticsのリリース情報。
ここで区別したいのが、Google検索の「AIによる概要」と「AIモード」です。これらはGA4のAIアシスタントチャネルには含まれず、オーガニック検索に含まれます。「AIアシスタントが0だから、AI経由の訪問は全部0」とは言えません。デフォルトチャネルの公式定義。
| 確認したいこと | 主な確認先 | 読み違えないこと |
|---|---|---|
| AIサービスからサイトへ来たか | GA4のAIアシスタント、参照元/メディア | すべてのAI接点を網羅する数ではない |
| Googleの生成AI機能に表示されたか | Search Consoleの生成AIパフォーマンス | 表示はサイト訪問ではない |
| ある質問の回答に自分のURLがあるか | 実際の回答と確認記録 | 一度の観測は全利用者の結果ではない |
| 問い合わせを受け付けたか | 受付記録と、定義した計測イベント | ボタンクリックだけでは受付完了ではない |
Googleの生成AIパフォーマンスは、現在の公式ガイドから案内されています。古い「AIはすべて通常検索に混ざるので分けられない」という説明だけで、今の計測方法を決めないようにしましょう。
最初はトラフィック獲得で、セッションを確認する
「今期はAIから何回訪問があったか」を見たいときは、訪問単位の情報から始めます。GA4のユーザー獲得とトラフィック獲得は、同じ意味ではありません。新規の獲得経路を見ているのか、今回の訪問経路を見ているのかを揃えます。
- 対象のGA4プロパティを開き、調べる期間を設定する。
- 「レポート」から「集客」の「トラフィック獲得」を開く。
- 表の分類を「セッションのデフォルトチャネルグループ」で確認する。
- 「AIアシスタント」の行と、セッション数を確認する。
- 参照元を詳しく見る場合は、「セッションの参照元/メディア」で確認する。
これは公式のトラフィック獲得レポートの説明に沿った手順です。メニューが見当たらない場合は、レポートの配置やカスタマイズ、閲覧権限を確認してください。画面が違うことと、データがないことは分けて考えます。
期間を記録せず数字だけ保存すると、翌月に比較できなくなります。「9月1日〜30日、対象サイトのプロパティ、セッションのデフォルトチャネルグループ、社内テスト除外の有無」のように、数字の条件も一緒に残しましょう。
また、セッションを「人数」と呼ばないことが大切です。同じ人が別の機会に訪れれば、複数のセッションになることがあります。「AIから36人来た」と書きたいなら、36が何の指標なのかを先に確かめてください。
架空の36セッションを、売上の話に飛ばさず読む
次は計算方法を示すために作成した架空データです。実在のブログやAIサービスの実績ではありません。30日間の全体セッションを1,200、AIアシスタントを36とします。
| 分類 | セッション | 問い合わせ完了があったセッション |
|---|---|---|
| AIサービスA | 24 | 2 |
| AIサービスB | 12 | 1 |
| AIアシスタント合計 | 36 | 3 |
| サイト全体 | 1,200 | 30 |
この例のAIアシスタント構成比は、36÷1,200×100=3%です。AIアシスタントのセッションのうち問い合わせ完了があった割合は、3÷36×100≒8.3%になります。分子は「完了イベントの回数」ではなく、「完了があったセッション数」です。
仮に3セッションのうち一つで完了イベントが2回記録されていたら、イベント数は4でも、完了があったセッションは3のままです。4÷36を同じ割合として扱うと、何を数えているかが変わってしまいます。
では、この8.3%を見て「AI経由はよく売れる」と言えるでしょうか。まだ言えません。対象は問い合わせであり購入ではないうえ、3セッションという小さな件数です。既存の知人、指名検索に近い訪問、テスト操作が混じっているかもしれません。数字の大きさより、受付内容と計測の定義を先に確かめます。

参照元AとBの割合を単純平均する方法も避けましょう。たとえばAが2÷24、Bが1÷12で今回は同じ値ですが、件数が違えば単純平均は全体を表しません。全体は分子と分母をそれぞれ合計して計算します。
アクセスが分かったら、読まれた入口と次の行動を見る
参照元を確認したら、次はどの記事から入ったかを調べます。サイト全体のAIアクセスが増えていても、自分が改善した記事への訪問とは限りません。トップページに集中していれば、記事施策の成果と呼ぶには材料が足りません。
確認する組み合わせは「期間」「流入の分類」「入口のページ」「目的の行動」です。GA4で利用できるレポートや探索に、この組み合わせを揃えて記録します。入口のページと、その訪問中に見たすべてのページも混同しないでください。
個人事業主のサイトなら、いきなり売上だけを見るより、問い合わせの前に必要な説明へ進めているかを見る方が役立つことがあります。たとえば、料金を調べて記事に入った人が、サービスの提供範囲を確認できているか。受付ボタンは押されたのに、フォーム送信で止まっていないか、という見方です。
ただし、分析のために都合よく「問い合わせ」を定義してはいけません。ボタンクリック、フォーム表示、送信操作、受付成功を区別し、キーイベントに指定したものが何かを記録します。実際の受付記録との照合も必要です。
AIアシスタントの行がないときに確認する順番
0件に見えると、記事が評価されていないと考えたくなります。しかし、この時点で分かるのは、選んだ条件でその分類の記録が見つからないことです。原因をひとつに決めないで確認します。
| 確認すること | 次の確認 |
|---|---|
| サイト全体のデータもない | プロパティ、期間、タグ、同意設定など収集側を確認 |
| 全体データはあるが該当行がない | 使っている分類、検索フィルタ、参照元/メディアを確認 |
| AI回答にはリンクがある | クリックされたとは限らない。表示の観測として別記録 |
| 自分のテストだけが見当たらない | 内部アクセス除外、同意、反映状況、操作日時を確認 |
| 参照元情報が不足している | 不足をそのまま記録し、AI流入と推定で埋めない |
GA4の「(not set)」は、必要なディメンションの情報が得られていないときに使われます。それを「AIのアクセスが隠れている数」と読み替える根拠にはなりません。Googleの「(not set)」の説明に沿って、該当ディメンションの原因を調べます。
テストするなら、利用するAIサービス、ブラウザかアプリか、リンクを押した時刻、到着したURL、GA4での確認条件を記録します。テストを1回行った結果は、その条件での記録確認です。AI経由のすべてのアクセスを捕捉できる証明にはなりません。
回答内の引用は、アクセスの表と別に記録する
「記事がAIに紹介されたか」も知りたい場合は、別の観測表を作ります。質問文や利用環境が変わると比べにくいため、同じ質問を使ったか、新しい会話か、どの回答のどのリンクかまで残してください。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 確認条件 | 9月30日14時、サービスA、ブラウザ、新規会話 |
| 質問 | 個人でオンライン講座を始める際、最初に決めることは? |
| 観測した結果 | 自サイトの講座設計記事へのリンクを1件確認 |
| 書けること | この日時・質問・環境でリンクを観測した |
| 書けないこと | 全利用者に掲載、AI検索1位、継続的な掲載率 |
表示されなかった場合も残します。ただし、数回の手動確認から「引用率20%」などと一般化すると、調べた質問の選び方に大きく左右されます。まずは具体的な観測記録として扱い、GA4の訪問数とは合算しません。
月次の報告は、次の程度に区切ると読み違えにくくなります。「AIアシスタントに分類されたセッションは36。全体の3%。問い合わせ完了があったセッションは3。引用は別途、指定した質問で1件観測。これは架空例であり、引用回数と訪問の対応は未確認」。それぞれの数字が何を表すかを、短い文章の中でも残します。
最初に開くべきものは、順位表ではなく、対象期間を揃えたトラフィック獲得レポートです。そのうえで、回答で見つかったこと、サイトへ来たこと、問い合わせを受けたことを一段ずつ確認してください。検索の表示とクリックの関係は、検索パフォーマンスを切り分ける記事でも扱っています。