AIで見積書の下書きを作る方法|作業内訳と対象外を確定資料から転記する

空欄の見積表、計算機、数量の確認を示すカードの紙模型

こんにちは。バナナデスクです。

依頼内容をAIへ渡すと、見積書らしい表はすぐに作れます。けれども、依頼文に「図解もほしい」とあるだけなのに、枚数が3枚と埋まっていたらどうでしょう。計算が合っていても、見積もりの前提が変わっています。

AIで見積書の下書きを作るときは、単価を考えさせる作業と、決まった単価を転記する作業を分ける必要があります。この記事では、承認済みという設定の架空単価表と依頼メモを用意し、確定分と確認待ちが分かる見積もり案を作ります。実際の契約、価格相場、税務判断を示すものではありません。

単価表と依頼メモに、別々のIDを付ける

以下の金額はすべて作成練習用の架空値で、円・税抜です。安いか高いかの判断材料ではありません。AIへ渡す際は、採用する版の日付や承認者も自分の業務に合わせて残してください。

単価ID 作業 単位 架空の単価(税抜)
P01 構成案の作成 一式 15,000円
P02 ページ本文の作成 ページ 12,000円
P03 図解の作成 枚 5,000円
P04 追加修正 回 8,000円
依頼ID 架空の依頼メモ
R01 サービス紹介ページの本文は3ページ
R02 構成案は一式を依頼
R03 図解は使いたいが枚数は未定
R04 初回の原稿提出は2026年11月6日を希望
R05 追加修正は必要になったら別途相談

P03には図解1枚の単価がありますが、R03には必要枚数がありません。単価表に値があることは、数量まで確定していることを意味しません。また、R04は相手の希望日です。作業者が引き受けられると確認した納期へ読み替えないようにします。

まず、金額表ではなく確定・未確定を整理させる

添付の架空単価表と依頼メモだけを使って、見積書の下書きを作ってください。
各行に単価IDと依頼IDを付けてください。
単価または数量が不明な行は「要確認」とし、0や推定値を入れないでください。
確定した数量×単価だけを小計へ入れてください。
図解の枚数、追加修正の回数、希望納期の受諾は未確定です。
税の計算、値引き、支払期限、法的条項を独自に作らないでください。
最後に、相手へ確認する質問を並べてください。

Googleのプロンプト設計資料でも、制約と出力形式を明確にする方法が説明されています。この例では、表の形より先に「何を補ってはいけないか」を指示しています。それでも、採用前の照合と再計算は別に行います。

完成例:確定分の小計と、確認待ちを分けた下書き

作業 数量 単価(税抜) 金額(税抜) 転記元
構成案の作成 1一式 15,000円 15,000円 P01+R02
ページ本文の作成 3ページ 12,000円 36,000円 P02+R01

確定作業分の小計:51,000円(税抜)。図解、追加修正、税の取扱いを含む最終総額は、この段階では確定していません。見積書の最も大きく表示する欄が「合計51,000円」だけになると、含まれていない作業までその金額で頼めると誤解されるため、表示名を具体的にします。

確定した構成と本文の小計51,000円税抜と、枚数が未定の図解を別に示した図
金額は練習用の架空値。51,000円は確定作業分の小計であり、最終総額ではありません。
確認待ちの項目 現在分かること 次に確認すること
図解 単価は1枚5,000円(架空・税抜) 必要枚数、内容、どのページへ載せるか
追加修正 必要なら別途相談 基本作業に含む修正範囲と、追加になる条件
納期 11月6日の初稿提出を希望 素材の受領日、作業側の受諾、確認の期限
支払・税の取扱い この資料では未確定 自社の確定条件と担当者の確認

見積もり本文とは別に、数量×単価を計算する

この例では、構成案1式×15,000円=15,000円、本文3ページ×12,000円=36,000円、確定分は51,000円です。元の数量と単価を使って別に計算し、表へ書かれた金額と一致することを確認しました。AIが出した合計を、もう一度同じAIへ「正しいですか」と聞くことだけで終えません。

表計算ソフトなら、数量と単価を別の列へ置いて積を計算します。未確定行は数量を空欄にし、金額欄を「要確認」にします。0円として合計に含めると、無償対応なのか数量未定なのか区別できなくなります。

後から図解を2枚と合意した場合は、2×5,000円=10,000円が加わり、作業分の小計は61,000円(税抜)になります。この値も条件付きの計算例です。合意前の下書きを、承認された見積書として扱わないでください。

対象外と修正条件を、転記元なしで足さない

見積書では「何をするか」と同じくらい「どこまで含むか」が大切です。ただし、AIが一般的な文面として「修正2回まで」「納品後は対応不可」などを追加すると、元の条件にない約束になります。

今回の資料では、ページ公開作業、画像素材の購入、取材、追加修正の範囲は決まっていません。「対象外で確定」とも言えないため、担当者が範囲を決める確認欄へ残します。既に契約や自社ルールで確定した文言があるときだけ、その版を根拠に使います。

送付前は、宛先・案件名・版の日付、単価と数量、確定分の小計、未確定項目、納期の合意状況を照合してください。AIを使って表を整えても、約束を決める責任まで移るわけではありません。転記元を残した下書きなら、確認する相手も、直すべき箇所を見つけやすくなります。