StudioとWordPressを比較|更新・機能・維持管理から選ぶ事業サイトの作り方

一体型の紙の店舗模型と組み替え可能な棚を並べてサイトの作り方を比べるイメージ

こんにちは。バナナデスクです。

事業サイトをStudioとWordPressのどちらで作るか。デザインの見本を眺めている時は決められそうでも、「来月、自分で料金を変えられるか」と考えると、見たい点が変わります。

例えば、月に2本のお知らせを足すだけのサイトと、会員ごとに違う教材を表示するサイトでは、必要な仕組みが違います。ページ数だけをそろえて比較しても、この差は見えません。

この記事のStudioはstudio.designのWebサイト制作サービスです。WordPressのローカル開発アプリであるWordPress Studioとは別です。WordPress側は、自分で選んだサーバーに設置する構成を想定します。WordPress.comの各プラン比較ではありません。

先に決めるのは、公開後に誰が何を直すか

StudioとWordPressは、必要な更新・機能・保守・持ち出せるデータを同じ要件で比べて選びます。Studioはサービス内で制作と公開を進める形、WordPressはサーバー・テーマ・追加機能を組み合わせる形です。どちらが向くかは、その組み合わせを誰が維持するかでも変わります。

ここでは公式仕様と、比較に使う記入済みの要件例を扱います。同じ担当者が両製品を操作して更新時間を測った試験ではありません。「初心者なら何分でできる」といった数値は置かず、契約前に試す作業を具体化します。

10ページの相談サービスを、同じ条件にそろえる

架空の「小さな教室向けサイト相談」を例にします。担当者は一人。お知らせは月2本、料金改訂は年2回を想定し、初期公開は次の10ページです。予約・決済・会員ページは今回の範囲に入れません。

ページ 掲載するもの 更新の例
1 トップ 対象者、相談内容、各案内への入口 受付対象の変更
2 サービス 相談で扱う内容と対象外 対応範囲の修正
3 料金 料金、相談時間、含まれるもの 改訂日付きの料金変更
4 進め方 準備、相談、受け取る整理メモ 必要資料の追加
5 運営者 公開できる紹介・連絡先 連絡先の変更
6 問い合わせ 相談内容を送るフォーム 選択項目と通知先の変更
7 プライバシー 実際の情報の扱いに沿った説明 利用サービス変更時の修正
8 お知らせ一覧 公開記事の一覧 記事追加時の表示
9 お知らせA 説明用の受付日程案内 日程変更
10 お知らせB 説明用の準備資料案内 画像と本文の追加

固定の7ページ、一覧1ページ、記事2ページという内訳です。サービスの料金表が数える「ページ」「CMSアイテム」「モデル」は、この10URLと同じ単位とは限りません。初期の数と、月2本ずつ増えた後の数を分けてプランへ照合します。

例えば1年間で24本追加すると、記事は初期2本と合わせて26本です。必要なのは「10ページのサイトが作れるか」だけでなく、記事が増えても同じ形で公開できるか、一覧やURLを保てるかです。

10ページのサイトから、記事追加・受付確認・復元の三つの運営作業を分けた図
架空の10ページ構成を使った比較の着眼点。両製品の操作時間や性能を測定した図ではありません。

標準の機能と、契約・追加設定で補う機能を分ける

要件 Studioで見るところ WordPressで見るところ
お知らせ追加 CMSで必要な項目を用意し、利用するプランの件数・モデル・権限を確認 投稿を使うか独自の投稿種別にするか。テーマ上の一覧・記事表示も確認
問い合わせ フォームの項目、通知、回答管理が今回の受付条件に合うか 採用するフォーム用プラグインや外部サービスを決め、保存・通知・追加費用を確認
URL変更 301リダイレクトの利用条件と旧URLの形式を確認 サーバーや追加機能のどこで転送するかを決め、変更後の応答を確認
誤編集から戻す バージョン管理の対象・保存期間を契約に照合 記事の履歴だけでなく、サイトのファイルとデータベースを戻せる方法を確認
別環境への移行 デザインやCMSデータの書き出し制限を確認し、原稿・素材の保管方法を決める コンテンツ書き出しとサイト全体の移行を区別。画像・設定・追加機能も含めて確認

2026年10月1日に確認したStudioのプラン説明では、独自ドメインはMini以上、Miniは上限2ページです。この例はそれだけでは選べません。また、リダイレクトの公式説明は現行Business以上を対象とし、旧プランとの違いや転送元URLの制約も示しています。「URL変更は無料で全部対応できる」と一括りにしないでください。

WordPressも「無料の本体でできる」という説明だけでは足りません。フォームの保存方式、迷惑送信対策、通知メール、保守の担当まで具体的に決まって初めて、このサイトの構成を比較できます。

見本を触るなら、料金変更と記事追加の2作業を試す

担当者が毎月使う作業を、同じ素材で試します。例えばお知らせBには「相談前に用意する資料を1枚追加」という修正を加え、画像を差し替えます。料金ページでは仮の10,000円を12,000円へ変更し、適用日も一緒に書き換えます。これは試験用の数字です。

  1. 該当箇所を開き、変更対象以外の文やレイアウトを崩さず直す。
  2. 下書き・プレビューと一般公開を区別し、PCとスマホで料金・単位・改訂日を見る。
  3. 公開後、管理画面にログインしていない状態で開き直す。
  4. 修正を元へ戻す方法を確かめ、誰がどの範囲を復元できるか記録する。

操作時間を測るなら、初回の説明を受けた時間と、二回目の自力操作を混ぜません。「画像の差し替えはできたが、一覧のサムネイルが変わらなかった」のように、途中までできた状態も残します。速い方を決めるより、担当者が一人で詰まる箇所を見つける試験です。

問い合わせは、画面に完了と表示されるだけでは判定できません。試験用の送信で、保存先・通知先・重複送信時の扱いを確かめます。フォームを作れることと、自分の受付業務が成立することは別の条件です。

復元と移行は、似ていて別の判断

「昨日の内容へ戻す」と「別サービスへ移す」は違います。Studioの公式の書き出し説明では、デザイン、ページ情報、ソースコード、CMSモデル・アイテムのデータを外部へエクスポートする機能は提供されていません。一方、フォーム回答はCSVで取り出せます。この違いを、すべてのデータが持ち出せる/一切持ち出せないという両極端な説明にしないことです。

WordPressのツールのエクスポートは、投稿などをWXR形式で移すための機能です。それだけでサーバー設定やテーマ・プラグインを含むサイト全体が完全復元されるわけではありません。全体の復元には、公式のバックアップ説明にあるファイルとデータベースの両方を考えます。

将来、別サービスへの移行が必須なら、公開原稿・画像原本・URL一覧を自分で管理できることを選定条件に入れます。逆に、当面は同じサービス内で更新を続ける計画なら、日常の編集と復元のしやすさを厚く確認します。

費用は月額だけでなく、担当する作業を添えて比べる

見積もりの比較欄は「初期制作+12か月の利用料・ドメイン・追加機能+更新・保守作業+必要なら移行準備」とします。同じ作業を月額と保守費の両方へ重複計上しないよう、内訳を書きます。ここでは実際の見積価格や作業時間を測っていないため、どちらが安いとは決めません。

この10ページの例なら、まず日常の更新ができ、必要なフォームが成立する構成を選びます。その後、URL変更と復元、原稿の持ち出し方を確認します。独自の会員機能が後から必要になった時には、最初の比較をそのまま使わず、要件表に追加して選び直します。

デザインが好みの候補を二つ残したら、「自分が来月する作業」を二つだけ書き、同じ素材で試してみてください。選ぶ理由が、サービス名の評判から自分の運営条件へ変わります。