こんにちは。バナナデスクです。
アンケートをAIに渡すと、要望をきれいにまとめてくれます。ただ、「文章の説明を増やしてほしい人が18人」という答えだけでは、全体のどれくらいか分かりません。30人中なのか、その設問へ答えた27人中なのかで割合が変わるからです。
AIでアンケートを集計するときは、件数の計算と、自由記述の意味の整理を分けると確認しやすくなります。計算は元データへ戻せるようにし、分類は回答IDを残して読み直します。
回答IDと設問の種類を残して渡す
この記事では、架空の勉強会アンケート30件を用意しました。実際の顧客回答や集客結果ではありません。項目は、回答ID、満足度の単一選択、知りたいテーマの複数選択、自由記述の4つです。
氏名や連絡先は集計に不要なので含めていません。実データを扱う際も、利用するAIサービスへ送ってよい範囲を確認し、回答IDで追える形にすると確認しやすくなります。IDの匿名化だけで、自由記述にある個人情報まで消えるわけではない点も確認してください。
| 回答ID | 満足度 | テーマ(複数) | 自由記述の例 |
|---|---|---|---|
| R01 | とても満足 | 文章 | 短い実例を増やしてほしい |
| R09 | とても満足 | 文章;SEO | もっと例がほしいが時間は長くしないでほしい |
| R18 | 満足 | 文章;SEO;AI | 毎回のテーマを先に知りたい |
| R25 | 普通 | AI | 長い事例は不要 |
| R30 |
表は30件の一部です。空欄は空欄として保存し、「不満」「希望なし」へ勝手に置き換えません。複数回答は区切り方を統一し、同じ人が同じ選択肢を二重に持っていないかも確認します。
全30件の架空回答をCSVで用意しました。登録なしで保存し、同じデータから件数や分類を確かめられます。実際の個人情報は含みません。
単一選択は、有効回答数と無回答を分ける
30件の満足度を実際に数えると、次のようになります。割合は有効回答29件を分母にして小数第1位へ丸めています。
| 回答 | 件数 | 有効回答29件に対する割合 |
|---|---|---|
| とても満足 | 12件 | 41.4% |
| 満足 | 10件 | 34.5% |
| 普通 | 5件 | 17.2% |
| 不満 | 2件 | 6.9% |
12+10+5+2=29件、これに無回答1件を加えると全30件です。「とても満足」と「満足」の合計は22件で、有効回答29件中75.9%です。全回答者30人を分母にすれば73.3%になります。どちらを使う場合も、分母を表の近くへ書きます。
この架空データから、実際の講座の満足度や市場の好みを推定することはできません。ここで確認しているのは集計方法です。
複数回答の合計は、人数を超えてよい
知りたいテーマは「文章」18人、「SEO」12人、「AI」10人、無回答3人でした。選択数の合計は40ですが、回答者は30人です。同じ人が複数を選べるため、40を人数として報告しません。

全回答者30人を分母にすると、文章60.0%、SEO40.0%、AI33.3%です。割合の合計が100%を超えても、複数回答なら不自然ではありません。設問に答えた27人を分母にする場合は、表の見出しを変えて計算し直します。
AIには「合計を100%へ合わせて」と指示せず、設問が複数回答であること、分母、無回答の扱いを明記します。そうしないと、選択数40を分母にした別の割合に変わり、知りたい意味とずれることがあります。
自由記述は、分類名だけでなく元の回答を残す
自由記述25件を読み、空欄5件は分けました。分類は教材用の編集例で、製品ごとの分類精度を比較したものではありません。主な分類と回答IDは次のとおりです。
| 分類 | 対応する回答ID | 注意点 |
|---|---|---|
| 具体例の追加 | R01、R04、R09、R11 | R17「例が分かりやすかった」は追加要望ではなく肯定 |
| 時間・参加方法 | R02、R07、R12、R20 | 夜・録画・昼が難しい・週末の希望を、一つの時刻へ決めつけない |
| 基礎・用語の説明 | R06、R13、R22、R24 | R22は例より先に基本を知りたいという順序の希望 |
| 資料・振り返り | R05、R14、R16、R23 | 紙・一覧・後から回答を読む・見返すという違いを残す |
| 長さや量の抑制 | R09、R25 | R09は例を増やしたいが時間は延ばしたくないという複合的な希望 |
R09は二つの分類に入っています。自由記述でも複数の意味を持つ回答を一つだけへ押し込むと、重要な条件が消えます。一方、「例」という単語がある回答をすべて追加要望に数えると、肯定的な感想や「長い例は不要」という逆向きの要望まで混ざります。
集計と分類を二回に分けて依頼する
1回目:列名と回答IDを保持して、設問ごとの件数を集計してください。
満足度は単一選択。無回答を別に数え、割合の分母を示します。
知りたいテーマは複数回答。選択数の合計を人数と呼ばないでください。
計算に使った回答IDと、検算できる式を残してください。
2回目:自由記述を要望の内容で分類してください。
分類名、対応する回答ID、原文、判断理由を表にします。
1回答を複数分類に入れた場合は明示し、肯定・否定・要望を区別します。
判断できない回答は未分類に残してください。
具体的な指示と出力形式を与える考え方は、Googleのプロンプト設計戦略でも説明されています。ただし、指示を書いたこと自体が正確な集計の保証にはなりません。件数は表計算やプログラムで再計算し、分類は元の回答に戻って確かめます。
多かった要望を、そのまま実施事項にしない
今回の例なら「具体例を増やす」が候補ですが、同時に長さを増やしたくない回答もあります。そこで、長い講義を追加する以外に、同じ説明時間で短い記入例を一つ見せる案を検討できます。これは編集上の提案で、満足度が上がると実証した結果ではありません。
最後の報告には、対象30件、有効回答と無回答、集計方法、分類の重複、次に確かめる案を残します。AIの要約が読みやすいことと、集計が正しいことは別です。回答IDと分母を手放さなければ、後から判断の理由を説明できる集計になります。