Deep Researchで業務調査をする方法|範囲・資料・終了条件を先に決める

紙の資料束と拡大鏡、整理された報告書を表すイメージ

こんにちは。バナナデスクです。

「おすすめの顧客管理ツールを調べて」と頼んだら、立派な比較表が返ってきた。でも、3人で無料利用したいという条件が抜けていた。これでは資料が増えても、選ぶ仕事は残ります。

Deep Researchを業務で使うときは、調べるテーマだけでなく、何が分かれば次の判断へ進めるのかを先に渡します。今回は、架空の小規模事業者の顧客管理を例に、依頼書と2ページの報告書を作りました。報告書は通常のウェブ閲覧から作った編集例で、Deep research機能を実行した結果ではありません。調査の範囲を絞ると、どこまで分かり、何がまだ決められないかも見えるようになります。

単一の事実確認と、複数資料の調査を分ける

ある製品の無料プランの人数だけを知りたいなら、公式料金表を開くほうが早い場合があります。複数社の条件をそろえ、対象外を除き、導入前の不足まで整理する仕事には、複数資料を扱う調査が向きます。

OpenAIの公式案内は、Deep researchを複数の資料から調べ、確認できる報告を作る機能として説明しています。2026年10月1日に確認した資料では、ウェブのWorkでチャットを開始して+メニューから選ぶ方法と、デスクトップのWorkでプラグインから始める方法が示されています。利用可能かどうかはアカウントとワークスペース設定に依存します。

表示されない場合は、利用中の画面と契約・管理設定を確認します。API向けのモデル名や単価を、ChatGPT製品の無料枠や利用回数へ読み替えないことも必要です。ここでは未確認の無料回数を一律に示しません。

3人という条件を一次資料で確認し、採用前の操作確認へ進む調査の流れ
人数条件を満たすことと、すべての採用条件を満たすことは別です。

そのまま書き換えて使える調査依頼書

次は教材用の架空案件です。600名の顧客情報を3人で管理する想定ですが、実在の顧客データは入力しません。「無料」という条件も、試用期間だけ無料なのか、継続利用できる無料版なのかを分けています。

架空案件:3人で使う顧客管理ツールの一次調査
判断したいこと:無料のまま3人が別アカウントで使える候補を、次の操作確認へ進める。
想定:顧客600名。全員が編集する。無料の期間限定試用では不足。
対象:Bigin、HubSpot、Zoho CRMの3製品に限る。
優先順位:ユーザー数→保存対象と上限→移行と書き出し→権限。
資料:2026年10月1日時点の公式料金表・公式ヘルプ。数字は対象プランと単位をそろえる。
範囲外:有料プランの価格比較、全市場の網羅、顧客個人情報の入力、実運用の推奨。
出力:2ページ。1ページ目に暫定結論と3製品の比較、2ページ目に根拠・不明点・次の確認。
終了条件:3製品の人数条件を公式本文で確認し、採用判断に残る不足を列挙した時点。
未確認事項を推測で埋めず、出典が読めない場合は未確認とする。

「3社を調べる」という数は、調査品質の基準ではありません。今回は具体的な比較の練習として3製品に限定しています。市場全体を調べたい場合は、候補を見つける作業と、候補の条件を詳しく確かめる作業を分け、どの段階の報告が必要かを伝えます。

調査計画では、先に除外できる条件から見る

この案件で最初に見るのは、画面の美しさや機能数ではなく、3人で使えるかです。無料版が1人までなら、連携機能を細かく調べる前に今回の条件から外れます。比較表の列を増やすことより、判断を変える条件を前に置くことが大切です。

AIが最初に計画や追加質問を示したときは、「有料プランの比較へ広げない」「人数を満たす候補だけ、移行と権限を次に調べる」と修正できます。途中で重要な条件が不明になったら、空欄のまま隠すのではなく、何が足りないと採用を決められないのかを記録します。

たとえば「無料で3人は使えるが、600名と関連履歴が収まるか分からない」なら、その時点で機能全体を高評価にする理由はありません。保存する単位が連絡先なのか、案件や活動を含むレコードなのかを確かめます。

公式資料から作った2ページの報告例

以下の報告書は、原稿制作AIが通常のウェブ閲覧で公式資料を実際に読み、作成したものです。ChatGPTのDeep research機能を起動して生成した記録ではありません。依頼と結論を対応させる完成例として読めます。

候補の無料版 確認できた人数条件 今回の判断
Bigin 1ユーザー 3人という必須条件に合わない
HubSpot 2ユーザーまで 3人という必須条件に合わない
Zoho CRM 3ユーザーまで 人数は合う。保存・移行・権限の確認へ進む

Biginの公式料金表は、無料版の1ユーザーと500レコードを示しています。レコードは連絡先だけでなく案件・活動等を含むため、他製品の「コンタクト数」と同じ単位で並べません。HubSpotの公式料金ページは、無料版2ユーザー、1,000コンタクト、無料利用に期限なしと説明しています。Zoho CRMの公式ユーザー管理ヘルプでは、無料版は最大3ユーザーです。いずれも2026年10月1日の確認範囲です。

この結果から言えるのは、対象の3製品ではZoho CRMが人数条件を満たし、次の確認へ進めるということです。「最も優れたCRM」「この事業者が確実に使える」という結論にはしていません。比較の出口を限定すると、調査結果を必要以上に大きく語らずに済みます。

架空案件の2ページ調査報告書(PDF)

調査依頼書の記入例(テキスト)

引用が付いていても、結論に合う根拠かを開いて確かめる

レポートの引用先が公式サイトでも、リンク先がトップページだけ、上位の有料プランだけ、以前の提供条件だけなら、今回の結論を支えられない場合があります。製品名、対象プラン、人数や保存単位、確認日を対応させて読み直しましょう。

この例なら、HubSpotのコンタクト数が600名を超えていることだけを見て「条件を満たす」とするのは誤りです。必要なのは3人が編集できることも含んだ判断だからです。AIが書いた評価の文章だけでなく、その直前にどの条件を判定したかへ戻ります。

ページを開けないときは、検索結果の短い説明だけで確定せず、別の公式ヘルプで同じ条件を確認するか、未確認として残します。新旧の資料が食い違うときも、新しい日付だけで決めず、同じプランと同じ機能を扱っているかを確認します。

調査を終える条件と、操作して決める条件は別にする

今回の一次調査は、3製品の人数条件と、残る不足を示したところで終了です。次の確認では、架空データ10行を使い、項目と履歴を移せるか、担当者ごとの閲覧・編集範囲を分けられるか、書き出した内容が原本と一致するかを試す計画を立てました。この操作はまだ実施していません。

「もっと調べて」を繰り返すより、資料で答えられる問いと、触らないと分からない問いを分けると、次にする仕事が明確になります。調査機能の役目は採用の責任を肩代わりすることではなく、判断に使える根拠と不足を見つけやすくすることです。