こんにちは。バナナデスクです。
訪問数と受付件数の表をAIへ渡してグラフを作ったら、4月の線が急に0へ落ちた。その月に受付がなかったのか、それともデータを集めていなかったのか。見た目が整った図でも、この違いを確かめないと、読み手へ誤った説明をしてしまいます。
AIで業務データをグラフにするときは、元データ、計算式、描き方の三つを別々に確認します。ここでは架空の12か月分を使い、訪問数の棒グラフと、受付率の折れ線グラフを実際に作りました。原本の数字も載せるので、同じ条件で計算し直せます。
「何を数えた数字か」を先に決める
今回の教材例では、「訪問数」は同一条件で集計したサイトへの訪問回数、「受付件数」はフォーム送信後に受け付けた件数という設定です。訪問者の人数やボタンのクリック数とは区別します。実際のサイトでは、利用する解析ツールや受付台帳の定義へ合わせてください。
この表は2025年1月から12月の架空データです。4月は集計データを用意していないため空欄にしています。実在するサイトのアクセス、改善結果、集客見込みを示すものではありません。
| 2025年の月 | 訪問数(回) | 受付件数(件) | 受付率 |
|---|---|---|---|
| 1月 | 1,000 | 20 | 2% |
| 2月 | 1,200 | 24 | 2% |
| 3月 | 1,000 | 30 | 3% |
| 4月 | 未収集 | 未収集 | 算出しない |
| 5月 | 1,500 | 30 | 2% |
| 6月 | 2,000 | 20 | 1% |
| 7月 | 1,600 | 32 | 2% |
| 8月 | 1,800 | 45 | 2.5% |
| 9月 | 1,500 | 30 | 2% |
| 10月 | 1,800 | 36 | 2% |
| 11月 | 2,000 | 60 | 3% |
| 12月 | 2,400 | 72 | 3% |
受付率は「その月の受付件数÷その月の訪問数×100」です。同じ利用者の再訪もあり得る定義なので、これは個人単位の成約確率ではありません。受付が購入に至るか、申込内容が有効かも、この数字だけでは分かりません。
AIへ渡す指示は、軸と欠損の扱いまで書く
以下は2025年の架空の月次データです。空欄は未収集で、0ではありません。
訪問数は棒グラフ、受付率は折れ線グラフを別々に作ってください。
受付率は受付件数÷訪問数×100で、計算した表も出してください。
4月の受付率は計算せず、前後の点を結ぶ線も描かないでください。
月の間隔は均等にし、単位・対象年・架空データである旨を図に書いてください。
棒グラフの縦軸は0起点。受付率は0〜3.5%で、軸の範囲を隠さないでください。
結果から改善の原因や来年の成果は推定しないでください。
数字が書かれた装飾画像を生成するだけで済ませず、元データから描画できる形で作ります。今回の図も、保存したデータを計算して、数値に対応する棒と点を描いたものです。形の雰囲気を表すアイキャッチと、データを伝える本文のグラフは役割を分けています。
訪問数は、0を起点にした棒で量を比べる

1月は1,000回、12月は2,400回なので、棒の長さの比も2.4倍です。途中の値から縦軸を始めて差を大きく見せると、量の比較を誤らせやすくなります。ここでは0から描き、4月の位置にはデータがないことを明示しました。
Microsoftのグラフ種類の説明では、棒で値を比較する使い方と、等間隔の時系列を折れ線で示す使い方を説明しています。グラフの種類は、何を比べたいかで選びます。訪問数と受付率を単位の違う二つの軸で重ねる前に、別々の図でも用事が足りるかを考えてみてください。
受付率は、4月の前後をつながずに描く

3月は30÷1,000×100=3%、5月は30÷1,500×100=2%です。受付件数はどちらも30件ですが、訪問数が違うので受付率は違います。6月は訪問数2,000回に対して受付20件で1%。訪問数が増えたことと、受付率が高くなったことは同じではありません。
4月には値がないため、3月から5月へ線を結んでいません。0%の点を置くのも不適切です。Excelなどでは空欄の表示方法を選べるため、見た目だけで欠損処理を判断せず設定を確認します。Microsoftの空白セル表示の説明も、空白を間隔として表示する、0として扱う、線で結ぶといった違いを示しています。
全期間の率は、月の率を単純に平均しない
この教材例の集計できた11か月は、訪問数合計17,800回、受付合計399件です。合計同士で計算した受付率は、399÷17,800×100≒2.24%になります。
月別受付率の単純平均は約2.23%で、合計から出す率とは一致しません。各月の訪問数が違うためです。また、この結果を「2025年の年間受付率」とだけ書くと、4月も含まれるように読めます。「4月を除く11か月の集計」と近くに明記します。
再計算用のCSVと表計算の式
次のテキストをコピーして、UTF-8のCSVとして保存すると元データを再利用できます。4月の空欄を保持してください。表計算ではA列を月、B列を訪問数、C列を受付件数として扱います。
month,visits,receipts
2025-01,1000,20
2025-02,1200,24
2025-03,1000,30
2025-04,,
2025-05,1500,30
2025-06,2000,20
2025-07,1600,32
2025-08,1800,45
2025-09,1500,30
2025-10,1800,36
2025-11,2000,60
2025-12,2400,72
D2へ次の式を入れ、D13までコピーする例です。D列の表示形式をパーセントにします。この式は割合を小数で返すため、さらに100を掛けてからパーセント表示にすると100倍になってしまいます。
=IF(OR(B2="",C2="",B2=0),NA(),C2/B2)
この式のNA()は、空白セルではなく#N/Aを返します。Excelでは、版やグラフ設定によって#N/Aの前後が線で結ばれることがあります。「非表示および空白のセル」の設定を確認し、完成したグラフで3月と5月の点がつながっていないことまで確かめてください。利用中の版で意図した空白を作れない場合は、欠損前の1〜3月と欠損後の5〜12月を別の系列として描く方法もあります。Microsoftの説明には、#N/Aを空白として表示する選択肢と、利用できる版の条件が示されています(2026年10月2日確認)。
訪問数0のときも率は計算しません。「訪問0回・受付1件」のような組み合わせがあれば、グラフを作る前に定義や集計範囲を確認します。欠損を含む全期間の率を出す場合は、今回のように両方の値がそろう行だけを分母・分子へ使ってください。
説明文まで元データへ戻して確認する
公開前には、最大値・最小値・欠損月・各点の計算・単位・対象期間を表と照合します。グラフのラベルを減らした場合も、近くの表から元の数字を読めるようにします。スマホでは画像の中へ全数値を詰め込むより、図で傾向を示して表で確認できるほうが扱いやすくなります。
この図から言えるのは、用意した値の違いと集計方法です。「施策が成功した」「AIを使ったから伸びた」という原因は読み取れません。AIへグラフを依頼したあとに、その説明文も同じ元データへ戻す。そこまで行うと、整った見た目だけで採用することを避けられます。