AIで提案書を作る方法|顧客の要望と対応範囲を一つの案にまとめる

依頼メモと提案書の対応箇所を色の紙で結んだイメージ

こんにちは。バナナデスクです。

AIに提案書を頼むと、依頼されていない作業まで気持ちよく書き足してしまうことがあります。「料金を分かりやすくしたい」という相談だったのに、いつの間にか予約システムの導入や広告運用まで入っている。文章の見栄えが整うほど、そのずれに気づきにくくなります。

提案書で相手に選んでもらいたいのは、きれいな言葉より「この範囲を、この条件で依頼するか」です。そこで今回は、架空の教室サイト改善について、元の要望と引き受ける範囲を固定し、2ページの提案原稿へまとめます。

原資料、比較用にAIが作った初稿の一節、編集後の2ページ提案原稿を見比べます。実際の顧客との合意や、人による承認を済ませた見積書ではありません。自分の案件では、提案する本人が金額・日程・対応範囲を原資料と照合して使ってください。

AIへ渡す前に、要望と引き受ける範囲を分ける

AI提案書は、相手の要望、確定した作業範囲、未確定事項を分けて入力し、各提案がどの要望に対応するかを確認して作ります。要望は広くても、今回の契約で全部を解決するとは限らないためです。

この例の依頼主は、架空の「教室A」です。以下の条件を説明用資料として置きます。S1〜S5は仮例の中で固定した条件です。現実に人が承認した記録ではありません。

資料 固定する内容
要望R1 保護者に体験授業の対象と申込前の流れを伝えたい
要望R2 通常授業と体験授業の料金を混同しないようにしたい
要望R3 サイトを見た後、何を問い合わせればよいか分かるようにしたい
今回の作業S1 トップ、体験案内、料金の3ページ分の改訂原稿と配置案を作る
費用S2 1ページ22,000円(税込)×3ページ、合計66,000円(税込)。修正はまとめて1回
日程S3 2026年10月9日までに素材受領、10月16日に初稿、10月23日に納品
対象外S4 サイトへの実装、フォーム開発、予約・決済機能、写真撮影、広告運用
教室側の確認S5 対象年齢、授業時間、最新の料金、連絡先。内容は教室側が確認する

料金の実額や対象年齢は、この資料ではまだ決めていません。AIが提案書を具体的に見せようとして「小学生向け」「体験1,000円」などと作り足したら、原稿から取り除き、確認事項へ戻します。提案作業の費用66,000円と、教室の授業料も別の数字です。

文章より先に、要望と提案の対応表を出してもらう

いきなり完成提案書を作るより、どの要望に何をするかを短い表にすると範囲を点検しやすくなります。今回の依頼文は次のようにします。

要望R1〜R3と作業範囲S1〜S5だけを基に、教室A向けの2ページ提案書を作ってください。先に「要望ID、提案、完成物、対象外、未確定事項」の対応表を出してください。金額・日付・ページ数・修正回数を変えず、サイト実装や成果保証を追加しないでください。授業料や対象年齢は未確定として、教室に確認する欄へ残してください。

要望 提案する原稿・配置 確認する材料
R1 体験案内に、対象・当日の流れ・申込前の確認項目をまとめる 対象年齢、授業時間、申込後の連絡方法
R2 料金ページで通常授業と体験授業を別の見出し・表にする 最新の料金と追加費用の有無
R3 トップと体験案内に問い合わせ前の確認事項を置く 連絡先と、問い合わせ時に必要な情報

この表なら、フォームそのものを作る仕事が含まれていないと分かります。「申込しやすくする」という目的はあっても、納品物は原稿と配置案です。目的と完成物を同じ言葉で済ませないようにします。

体験の対象、料金の区別、問い合わせ前の情報という三つの要望を三ページの原稿と配置案へ対応させる図
仮例の納品物は原稿と配置案3ページ。サイト実装やフォーム開発は含みません。

初稿の曖昧な表現を、納品物へ直す

比較用に作ったAI初稿の一節は、次の文章です。

教室の魅力を分かりやすく伝えるため、サイト全体の情報を整理し、保護者が安心して体験授業へ進める導線を整えます。トップページ、体験案内、料金ページを見直し、問い合わせにつながるサイトづくりを支援します。

要望の方向には合っていますが、「サイト全体」「導線を整える」「サイトづくりを支援」が広すぎます。原稿作成だけなのか、公開まで行うのかが読めません。ここをAIによる編集例として、次のように修正します。

トップ、体験案内、料金の3ページについて、改訂原稿と配置案を作成します。体験案内では対象と流れ、料金ページでは通常授業と体験授業の料金を分け、問い合わせ前に確認する項目を示します。納品物は原稿と配置案です。サイトへの実装、フォーム開発、予約・決済機能の追加は含みません。

「良くする」という約束を、相手が受け取るものへ置き換えました。原稿を受け取った後、誰がサイトに反映するかも相談しやすくなります。ここで示すのはAIが原資料に照らして文章を編集した見本です。実案件へ使う際の、提案担当者による対応可否の確認や依頼主との合意は別に行います。

原資料・初稿・完成案を三段階で照合する

初稿の一節を読みやすくするだけでは、提案書はまだ完成しません。費用や日程のように、その一節には書かれていない条件も、原資料から補って全体を組み立てます。今回の採用・修正の判断は次のとおりです。

原資料 AI初稿の一節 完成案での処理 そう判断した理由
S1:改訂原稿と配置案を3ページ分 「サイト全体の情報を整理」 対象をトップ・体験案内・料金の3ページへ限定 サイト内の別ページまで含むと受け取られる表現を避ける
R1〜R3:対象・料金・問い合わせ前の流れ 「安心して体験授業へ進める」「問い合わせにつながる」 対象と流れを体験案内、料金の区別を料金ページ、問い合わせ前の情報をトップと体験案内へ配置 目的がどのページの何に変わるかを示す。集客の成果を約束へ足さない
S4:サイト実装などは対象外 「導線を整える」「サイトづくりを支援」 納品は原稿と配置案。実装・フォーム開発などを別項目で対象外と記載 文章の制作と、公開サイトを動かす作業の境界をそろえる
S2・S3:66,000円、修正1回、素材受領後の日程 初稿の一節には費用・日程の記載なし 2ページ目へ費用の内訳、まとめて1回の修正、素材・初稿・納品の日を追加 初稿にない条件を創作せず、原資料から補う。日程変更が必要になる条件も近くに置く
S5:授業料・対象年齢などは教室側が確認 初稿の一節には確認先の記載なし 未確定値は埋めず、教室側へ確認する項目として残す 提案作業の価格と授業料を混同せず、誰に何を聞くかを明確にする

残すのは、保護者が対象や料金を確認できるようにする目的です。直すのは、仕事の範囲を広げる言葉です。費用や日程は文章表現から推測せず、S2・S3を参照して追加しました。原資料にない授業料や年齢は、具体性を出すためにも作りません。

2ページへまとめた提案原稿の完成例

1ページ目:何を、なぜ作るか

教室Aの案内ページ改訂案

体験授業を検討する保護者が、対象、料金、問い合わせ前の流れを確認できるよう、トップ・体験案内・料金の3ページの原稿と配置案を整えます。

体験案内では対象と当日の流れをまとめます。料金ページは通常授業と体験授業を別の見出しにし、追加費用の有無も確認できる構成にします。トップと体験案内には、問い合わせ前に用意する情報を掲載します。

納品するのは3ページ分の改訂原稿と配置案です。改訂原稿は各ページの見出しと本文、配置案は文章・料金表・問い合わせ案内を置く位置を示します。教室側から受け取る最新の条件を用い、未確定の授業料や対象年齢は推測で補いません。

2ページ目:費用・日程・含まない範囲

進め方とご確認事項

費用は1ページ22,000円(税込)×3ページ、合計66,000円(税込)です。3ページ分をまとめた修正1回を含みます。

2026年10月9日までに最新の案内資料、料金、連絡先をお送りいただき、10月16日に初稿、10月23日に原稿と配置案を納品する予定です。初稿を確認する担当者と、まとめた修正を返す日は着手前に相談します。素材の受領や確認が遅れる場合は、日程を再相談します。

サイトへの実装、フォーム開発、予約・決済機能、写真撮影、広告運用は含みません。掲載条件は教室側でご確認ください。集客数や検索順位の改善を保証する提案ではありません。

この範囲と日程で進めるか、対象年齢・授業時間・最新料金・連絡先を確定できるかをご確認ください。追加ページや実装をご希望の場合は、別途範囲と費用を相談します。

2ページでなければいけないわけではありません。今回なら、目的と作るものを1ページ目、判断に必要な条件を2ページ目へ分けると、説明と費用の関係を追いやすくなります。

「予約フォームも」と追加された場合の返答例

完成案を見た相手から、「この金額で予約フォームも作ってもらえますか」と聞かれたら、初稿の曖昧な表現へ戻さず、対象外のS4に照らして返します。次は、この架空案件に質問が加わった場合の返答例です。

今回の66,000円(税込)は、トップ・体験案内・料金の3ページ分の改訂原稿と配置案、まとめて1回の修正を対象としています。予約フォームの開発・設置は含みません。フォームもご希望なら、既存フォームを使えるか、新規開発が必要か、入力項目や予約確定の方法を確認して、対応可否と別途費用・日程をご案内します。現在の3ページ分の範囲で進めるか、追加案も比べてから決めるかをお知らせください。

追加作業を断るか受けるかは、提供できる内容によって変わります。この例で決めたのは、確認前に同じ金額と日程で引き受けたことにしない、という境界です。別途費用も、根拠がないままAIへ決めさせません。

最後は、もっともらしさではなく原資料との一致を見る

OpenAIの利用規約も、出力の正確性と用途への適合を評価し、必要に応じて人のレビューを含めるよう求めています。AIへ「間違いはないですか」と尋ねるだけで、依頼主との合意確認まで終わったことにはなりません。

照合項目 完成例での照合
金額 22,000円×3=66,000円。税込を全箇所で一致
作業 原稿と配置案3ページ。実装を含む表現が残っていない
修正 3ページをまとめて1回。1ページごとに1回などと変えていない
日程 素材10月9日、初稿10月16日、納品10月23日。遅れた場合の再相談を記載
未確定 授業料・対象年齢などをAIが補わず、確認項目に残した

実案件では、ここへ提案担当者と教室側の確認結果を残します。支払条件や契約手続きなど、この説明例にない必要事項は自分の取引条件として決め、提案書と整合させてください。

自分の案件へ置き換えるときは、五つの値を先に替える

完成原稿だけをコピーする前に、対象ページと納品物、単価と合計、修正の数え方、素材受領から納品までの日程、対象外の作業を自分の条件へ替えます。その後でR1〜R3に当たる要望を書き、一つずつ完成物へつなげてください。

たとえば、依頼が「体験授業の流れを伝えたい」だけで料金ページの改訂が不要なら、3ページという数もそのまま使いません。対象を減らすなら費用・修正範囲・日程も一緒に見直します。今回の1ページ22,000円は架空の見積条件であり、相場や自分の価格を決める根拠ではありません。

対応する完成物がない要望は、「今回は対象外」「別案として確認」「追加の原資料が必要」のどれかへ分けます。逆に、どの要望にも結びつかない作業が増えていたら、必要な理由を説明できるかを見直します。この往復を終えると、相手に確認してもらうのが文章の好みだけでなく、仕事の範囲と条件になります。

まず一つの要望について「どの完成物で答えるか」を書いてみると、AIに任せる範囲も見えてきます。文章を整える前に対応関係を固めることで、追加の約束を気づかないうちに引き受けることを防ぎやすくなります。