第11章|抽象と具体を往復する思考法

← 全20章の目次へ / 第11章

PHASE 11

抽象と具体を往復する思考法

1 個人の作業量に頼る働き方から抜け出す

作業者という枠を見直すブレイクスルー思考

第3フェーズまでのプログラムを経て、あなたは自力で稼ぐための強固な基礎と、一切の迷いなくタスクをこなす圧倒的な「実行力」を身につけました。

しかし、ここで資本家(ルールを作る側)として私が実感してきた現実を宣告します。 どれほどあなたの作業スピードが上がろうと、今までのように「目の前のパソコン画面」だけを見つめ、自分自身の肉体(手)だけを動かしている「自分の時間と体力を切り売りする働き方」では、いずれ必ず限界(天井)に激突します。

私自身、アフィリエイトの仕組みを構築して自力で稼げるようになり、タスク管理を極めて「一人で月収数百万円」という利益を生み出せるようになった直後。この「労働の天井(自分の限界)」に激突しました。

寝る間も惜しんで記事を書き、広告の数値を確認し続ける日々でした。「収入は増えた。けれど、これでは一生パソコンの前から離れられない」。自分が手を止めれば収入の流れも止まる働き方は、私が求めていた自由とは違っていたのです。

そこから私が、どうやって単なる一人の労働者の壁を打ち破り、最終的に日本のLINEインフラとなった「Lステップ」で数十億円規模の企業の売却を果たすまでに、自らのビジネスを巨大化させることができたのか?

それは、私が他の誰よりも長くキーボードを叩き続けたからではありません。 思考の視点を別次元へと引き上げ、目に見える現象の裏側で動いている「不変の法則」を見抜く【抽象と具体の融合(ブレイクスルー思考)】を手に入れ、自らを単なる「作業員」から、ビジネス全体を構築する「設計者(仕組みを作る側)」へとアップデートしたからです。

ここからは、事業の成長の限界を越えるために、思考の視点を広げる方法をお伝えします。

2 全体構造を透視する抽象的思考 本質の抽出

抽象化とは物事の骨組みを捉えること

抽象的思考とは、余計な装飾(デザイン)や表面的な言葉をすべて削ぎ落とし、物事の本質(一番重要な骨組み)だけを冷静に抜き出す考え方です。

たとえば、「ブログ」「YouTube」「X(旧Twitter)」を、それぞれ文章、動画、短文を扱う別々の媒体として見ることができます。私も初めは、それぞれに別のノウハウが必要だと考え、表面的な方法を探していました。

一方、抽象的に捉えると、いずれも「情報を発信し、人々の関心や欲求に応え、自分の事業へ見込み客を導く仕組み」という共通の本質が見えてきます。

この考え方を身につけると、別の業界の事例からも、顧客の支持を得た理由や仕組みを学び、自分の事業に応用できます。私が新しい市場へ入るたびに成果を出せたのも、才能だけではなく、本質を抜き出し、自分の環境に当てはめる作業を繰り返したからです。

圧倒的な説得力を生み出す翻訳技術

さらに、抽象的思考はあなたの発信力(文章の威力)を劇的に向上させます。 複雑な出来事を一度「本質(抽象)」に分解し、誰もが知っている別の分かりやすい概念に「翻訳(例え話)」することで、相手の頭の中に直接、鮮明な映像を送り込むことができるのです。

「カレーライスのように広く親しまれる商品だけが、正解とは限らない。パクチーのように、一部の人に強く支持される個性を持つ道もある」。

このように、本質の抜き出しと例え話を通すことで、読者の感情の奥底に突き刺さるメッセージを自在に操れるようになります。

価値の届け方を考える
カレーライス
広く親しまれる
パクチー
特定の人に強く支持される

本文の例え どちらの価値を目指すかを考える

3 現実世界を動かす具体的思考 行動への落とし込み

しかし、抽象的に本質を見抜いただけで満足してはいけません。それは実行ボタンを押さない、ただの「頭でっかちな評論家」です。

具体的思考とは 現実を意識的に動かす実行コマンドである

抜き出したアイデアや法則を、今度は「今日の自分がこなすべき具体的な作業」にまで極限まで細分化し、現実の行動として落とし込む作業が不可欠です。

「人を集める仕組みを作ろう(抽象的な考え)」という曖昧な状態のままでは、脳は行動を起こせません。 それを、「そのために、今日の15時00分から、この指定キーワードを使って3000文字の記事を1つ書き上げる(具体的な作業)」へと変換するのです。 この1ミリ単位の明確な解像度こそが、脳を一切迷わせずに動かす、強力な実行スイッチとなります。

4 具体から抽象へ そして再び具体へ

すべてを自分の頭だけで、ゼロから発明する必要はありません。すでに成果を上げている事例を分析し、なぜうまくいったのかという構造を学び、自分の事業に応用する。そのほうが、道筋をつかみやすくなります。

最強の問題解決プロセス 具体→抽象→具体

① 具体例の収集 観察

まず、他業界やライバルの「すでに上手く回っている仕組み(バズっている企画、売れている商品など)」の具体例を徹底的に集めます。

② 具体から抽象へ 本質の抽出

「なぜその仕組みは熱狂を生んでいるのか?」 表面的なデザインや言葉ではなく、その裏側で「人間のどんな根源的な欲求を突いているのか?」という本質のルールだけを抜き出します。

③ 抽象から具体へ 自社の仕組みへの組み込み

抜き出したその「売れる法則」を、今度は自分のビジネスの形に合わせて具体化(翻訳)し、自らの仕組みへと組み込んで実行します。

この「具体(観察) → 抽象(抽出) → 具体(実行)」のループを高速で回すことで、世の中に転がっているあらゆる成功事例が、すべてあなたのビジネスを強化するための「無料のアイデア集」に変わるのです。

具体と抽象を往復する
  1. 具体 事例を観察
  2. 抽象 本質を抽出
  3. 具体 自分の事業で実行

表面の形よりも 成功を生む構造を学ぶ

5 まとめ 作業員から設計者への進化

物事の本質を見抜く抽象的な思考と、それを行動へ落とし込む具体的な思考。この2つを往復することが、作業をこなす立場から、事業全体を設計する立場へ進むための道筋になります。

次章へ どの立場から事業を見るか

思考のレベルが上がり、法則を抜き出して行動に落とし込む力は身につきました。 しかし、ここでまたしても致命的な落とし穴が存在します。

考える力があっても、見る方向が偏れば、判断に使う情報も偏ります。「Garbage in, Garbage out」という言葉が示すように、入力する情報の質が、考えた結果の質にも関わるのです。

次章では、自分の都合だけで見ることから離れ、事業全体を俯瞰するための、4つの視点を取り上げます。

次章では、「サイコロの理論」を通して、顧客、プラットフォーム、成功者、指導者の立場から事業を見る方法を紹介します。自分の都合だけで判断する状態を見直していきましょう。