初期投資なしで始められるビジネスはある?

ビジネスを始めるには初期投資の調達が最初の課題となります。飲食店をオープンするにしても数百万は用意しなくてはなりません。そのため起業したくてもできないという人は多いのです。

記事の目次

初期投資とは?何にかかる費用?

  • 初期投資とは

初期投資とは先行投資であり事業を始めるための設備であったり什器であったりをそろえるためのお金です。事務所を借りるための敷金や当初の家賃も初期投資に入ります。初期投資としてあげられるのは次のような費用です。

保証金・家賃

建築費

内装施工費

厨房設備費

運転資金

家具

パソコン

一般的に初期投資が大きいほど、利益も大きいとされています。例えるなら喫茶店を始めるよりパチンコ店を開店させた方が儲かりますね。そのため初期投資は収益性に見合っているかどうかが大事になるのです。

  • 株式投資の初期投資

株式投資の初期投資はズバリいくら株を購入するかになります。株式投資の初期投資は平均的な30代男性(年収420万円、貯金230万円)で30万円が最も多いようです。株式投資の初期投資は損失も考えられるため、最初は勉強するため少額であることが一般的です。貯金額の30%までとする人が多いでしょう。

  • コンビニのフランチャイズを始める初期投資

フランチャイズは脱サラして始めやすい企業となっています。本部がノウハウやシステムを提供してくれるので経営の経験がなくてもすぐに商売が始められるのです。コンビニの場合の初期投資は約300万円、内訳は次のとおりです。

◆開業時出資金:150万円

◆開業準備手数料:100万円

◆研修費:50万円

  • 喫茶店をオープンする初期投資

喫茶店など場所や内装にかける費用によって大きく開きがありますが、飲食の経営コンサルタントによると「月商の3ヶ月分」が相当とのことです。1ヶ月の粗利が30万円なら90万円を初期投資に使えるということです。90万円というのはとても少ない気がしますね。シンクや冷蔵庫などの什器をそろえると中古であっても90万円くらいにはなりそうです。

  • 雑貨屋をオープンする初期投資

雑貨屋は仕入れに初期費用がかかります。物にもよりますがアンティーク品などいくらでも高くなるでしょう。一般的には内装工事にあまり費用がかからない場合が多いので300万円ほどが初期費用になります。

  • ヨガスタジオのフランチャイズの初期投資

ホットヨガをはじめ、人気の高まりを見せているヨガスタジオですが今後ヨガ人口は1600万人にもなるそうです。ヨガはある程度大きなスタジオを準備しないと収益が見込めないので初期費用は600万円くらいになります。

商売をするにはけっこうな初期費用が必要ですね。自己資金で始められればいいですが、銀行などで融資を受けることになる場合が多いでしょう。

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初期投資なしでビジネスは始められるのか?

初期投資なしでビジネスを始められる人というのは実にうらやましいものです。初期投資なしで始められるのは親の作った会社や店を継ぐといった形ですね。これなら投資も要らなければ基盤もできていますので後は潰さないようにするだけです。

ただプレッシャーだけは半端ないでしょう。売上を伸ばして改善していっていても横ばいを維持するのが大変です。傾こうものなら「バカボン」のレッテルは間違いありません。

では親から何ももらわずに初期投資なしでビジネスは始められるのでしょうか。残念ながら初期投資なしで始められるビジネスというのは考えられません。どこまでを初期投資とするかは別としてビジネスをするには名刺が必要だったり、オフィスがなければ信用を得られなかったりしますのでなかなか難しいのが実のところです。

ただしビジネスとして初期投資は必要なことです。初期投資に見合った収益が出せるかどうかのほうが重要になります。反対にいくら初期投資が少なくて済んでも収益の上がらない事業ではランニングコストが回せなくなって潰れてしまうことになります。

ところがネットショップでは初期投資がほぼかかりません。ネットショップでビジネスを始めて軌道に乗ってきた後に実店舗を構えるというのはリスクの低い方法だと言えるでしょう。それでも最低限の仕入れが必要ですので初期投資なしというわけにはいかないです。こうして考えるとやはり初期投資なしでビジネスを始めるのは難しいようです。

しかし才能のある人はちょっと事情が違ってきます。プログラミングやコンサルタントの能力のある人はフリーランスとしてビジネスを始めることができるでしょう。また弁護士、公認会計士などの資格がある人も初期投資なしでビジネスを開始できます。ファイナンシャルプランナーなどは顧客がいなくてもライターとして活躍できるでしょう。

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初期投資とランニングコストの違い

ランニングコストとは家賃や電気代、消耗品、人件費、燃料費など定期的に継続的に必要となる経費(維持費)になります。初期投資はイニシャルコストといわれますが、長期で利用する機器などについてはイニシャルコストよりランニングコストの方が重要視されるのです。

  • 初期費用よりランニングコストが大事

なぜランニングコストのほうが大事かというと例えばプリンターを購入する時インク代など消耗品にいくらかかるかをしっかり見積もらなければなりません。本体1万円で毎月1,000円のインク代がかかるプリンターより本体が3万円でも毎月のインク代が100円のプリンターの方が3年使用した場合にインク代(ランニングコスト)が安い方がお得になるのです。

3年使用では・・・

<本体1万円・インク代1,000円/月>……46,000円

<本体3万円・インク代100円/月>……33,600円

結果的に長く使えば使うほどランニングコストが高いほうが損になるということになります。これは何においても言えることで、例えばオフィスを借りる際もイニシャルコストである敷金が安いことよりも、ランニングコストとなる毎月の家賃をできるだけ低く抑えることが大事なのです。自動車であれば車両価格がイニシャルコストでガソリンや車検代がランニングコストとなります。

  • 損益分岐点との関係

経営においては損益分岐点を算出しなくてはなりません。そのうえで初期投資というのは固定費となります。一方ランニングコストは変動費となるのです。家庭でいえばエアコンを購入する費用が固定費で毎月の電気代が変動費となります。省エネタイプのエアコンの方が初期費用がかかったとしても、いずれ変動費である電気代がオトクな分、何年か使用するうちに損益分岐点が算出できます。

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初期投資の回収期間

サラリーマンと経営者の違いは投資する物です。サラリーマンは自分の時間を投資するのに対して経営者は資金を投資します。いわゆる「初期投資」と「運転資金」を用意できて始めてビジネスを進めることができるのです。

そしてサラリーマンは資金を投資することに対してリスクが高いと考えるのに対して、経営者では資金を投じることによって時間が生まれること、収益が上がることがリスク回避だと考えています。これが自らの力で稼げる人とそうでない人の決定的な違いでしょう。

  • 初期投資を回収するのは当たり前

経営者が初期投資をできるのは、回収が当たり前だという感覚があるからです。しかしビジネスのビジョンを持てなければいくらアイディアがあっても初期投資はできません。経営者はビジネスを前にした時、すでにビジョンが確立しているといえるでしょう。そのため初期投資ははじめから戻ってくるお金だとわかっているのです。

「失敗したら?」と考える経営者はいません。失敗しないからビジネスを始められるわけで、そもそも成功するまでやり通す覚悟が備わっています。それでも資金がショートしてしまい事業を撤退するという経営者もいるでしょう。しかしよく考えてみれば、資金繰りさえなんとかできれば失敗ということにはならないのがビジネスというものです。

  • 初期投資の回収期間

経営者の考える初期投資の回収期間は基本的に5年だといわれています。普通は借金をしたり、貯金を切り崩したりすれば早くに回収をしたいと考えますが、回収期間について焦りを持つ経営者はあまりいません。なぜなら他にすることがあるからです。それはさらに投資することになります。人材募集や宣伝広告、コンテンツの見直しなどビジネスの本体を強化することが何よりも大事なのです。

  • 初期投資できないビジネスはしないこと

ここまでで、成功する経営者の感覚がなんとなくイメージできたかと思います。まず成功するという前提でビジネスを始めること、そしてそのための初期投資の回収期間は焦っていないこと、ビジネス本体を強化することが何よりも大事だということです。

これからビジネスを始める人にとって、不安や迷い、初期投資の躊躇は「負け材料」だということも感じていただけたかと思います。経営者が考えなくてはならないのは「成功のイメージ」です。もし初期投資できないと感じるビジネスはやめたほうがいいでしょう。言い換えれば初期投資に躊躇がないことが成功の条件のひとつでもあるのです。「勝算」のない初期投資はありえませんね。

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初期投資の少ないビジネス・事業は?

ネットの普及によって初期投資の少ないビジネスや事業がとても多くなりました。多くの人にビジネスで成功するチャンスが与えられたといってもいいでしょう。ここでは初期投資の少ないビジネスを見ていきたいと思います。

  • レンタルスペース

Airbnbでも有名な持ち家や部屋を旅行者に貸すサービスや倉庫や駐車場を貸すなどレンタルスペース事業がネットによって広まっています。もし空きスペースをお持ちだったら事業化できるでしょう。初期投資がほぼゼロで始めることもできますね。

  • シルバー配食サービス

フランチャイズだけど加盟料が0円という高齢者向けお弁当配達事業です。ロイヤリティは月に3万円、食材は工場から届けてもらえるのですることは盛り付けと配達になります。1日200食で1ヶ月の売上は300万円と事業性が高いビジネスです。

  • ネットショップ

店舗に初期投資することなしにお店を初められるようになったのは、まさにネットだからこそです。何を扱うか、どのように広めるかのコツをおさえておけば実店舗以上の売上も可能です。在庫や送料の設定では難しい面もありますが、お店に人気が出れば人を雇って自動で稼働させることもできるようになります。

  • 清掃サービス

開業資金20万円で独立できるフランチャイズの清掃サービスでは、本部が契約したマンションやアパートの清掃を請け負うことになるので営業いらずです。また清掃も簡単のものでルートも自分で決められます。1ヶ月の売上は一人で作業したとしても50万円以上が期待でき、未経験でも開業が可能です。

  • スマホ修理

スマホの修理業にもフランチャイズがあります。1坪ほどのスペースがあれば始められますので初期投資はほとんどかかりません。月商はおよそ100万円が見込め、現在加盟店はすべて黒字です。

  • コンサルタント

コンサルタントとは課題解決、商品販促のプロフェッショナルです。コンサルタントの能力があれば初期投資なしで企業と契約することができます。クライアントを儲けさせることが仕事ですから、実績によってはビジネスとして成り立つでしょう。

  • ブログアフィリエイト

ブログアフィリエイトの初期投資はドメインとレンタルサーバーだけです。少ない投資ですがビジネスとして取り組めば大きなリターンが期待できます。大事なことは事業化するということです。ブログとはいえ経営戦略の上で運営することが必要でしょう。

  • Youtube

ローリスク・ハイリターンとなるビジネスの代表がYoutube だといえます。Youtubeに動画を投稿して収益化するのはしっかり勉強さえすればそれほど難しいものではありません。また特別なスキルや知識を持っていない方でも始められるというのが最大のメリットです。

ブログアフィリエイトやYoutubeは新しい事業としてすでに他の事業(不動産業・物販業など)を営んでいる方も事業部を立ち上げて参入してきているといいます。個人事業主も同じく経営の安定化をはかるためにビジネスとして取り入れるケースが増えていますので収益性の高さが期待されているのでしょう。

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