【年金不安】安らかな老後を過ごすために今すること

安らかな老後とは、それはもちろん自由に使えるお金もあって、そこそこ健康を維持できていて、たまには旅行にも行けるといったイメージでしょうか。そんな老後を過ごすために今することを考えなくてはなりません。

年金不安の理由

年金不安の理由はずばり政府に対してというものが多いでしょう。いったい何歳まで年金受給を引き上げるのか、誰から見ても政策が読めないことがあります。


年金受給開始は75才から?


日本人の平均寿命がのびていることから、実は年金受給者というのはとても増えています。そこで厚生労働省は年金の支給開始年齢を少しでも遅くしていく取り組みをしているのです。

本来は65才から年金は受給できることになっています。ですがもし70才から受け取ることを選択すれば、65才から支給されるよりも数倍多く受け取れるというシステムが年金受給者をできる限り少なくする仕組みです。

そして現在は年金の受け取り年齢を75才まで繰り下げることを検討しているため、一時的に誤解され「年金は75才にならないと受け取れない?」といったうわさが広がりましたが、実際には65才から受け取れるのが日本の年金制度です。


国民年金の不安


一言で年金といっても厚生年金と国民年金では将来、支給される金額は全く違ってきます。そのため長年、自営業を営んできた人は資産を残していなければ、老後、大変な苦労をすることになるのです。次に年金が1ヶ月、平均でいくらもらえるのかを見てみましょう。

  • 国民年金を単身で受け取る場合

55,244円

  • 国民年金を夫婦で受け取る場合

110,488円

  • 厚生年金を単身で受け取る場合

145,305円

  • 厚生年金(夫)+国民年金(妻)で受け取る場合

221,364円

  • 厚生年金を共働きで受け取る場合

268,251円~290,610円

出展:https://seniorguide.jp/article/1001439.html

いかかですが。まともに働いて国民年金を払い続けたとしても、単身の場合1ヶ月で平均してもらえる金額は55,244円です。これでは生活していくのはどう考えても無理だといえるでしょう。


働き続けるしかない日本の現状


厚生年金を支給される単身にとっても、1ヶ月145,305円というのは、実際のところ月々3万円~5万円の赤字となるようです。そのためにシルバー人材センターには求職者があふれている状況があります。

日本が豊かな国だと感じていたのは、はるか昔のことだったのです。年金への不安は大きくなる一方で、働き続けるか最悪の場合には、生活保護を受けることになってしまいます。厚生労働省によると2017年3月の「被保護世帯」は「1,641,532世帯」と過去最高となりました。

その背景には生活保護を受けている高齢者世帯が急増したことがあります。生活保護を受けているうちの実に52%が高齢者世帯となっているのです。これでは日本の年金制度に不安を抱いても不思議はありません。

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記事の目次

年金不安の若者

年金について日本生命が実施したアンケート結果によると20才以下の17%が老後に年金をもらえないと考えていることがわかりました。実際には年金制度がなくなれば、多くの高齢者が生活保護を受けることになり、財政への負担は増すことになるので年金制度自体はなくなることはないといわれています。


なってほしい日本


一方、調査会社マクロミルのインターネット調査で20才~24才の若者に「なってほしい日本」を尋ねたところ516人から回答が得られました。

1.引退しても老後の不安がない

2.子供たちが将来に希望を持てる

3.努力すれば必ず報われる

4.失敗しても再挑戦出来て、再起も可能

5.右肩上がりの成長が続き、所得が伸びていく

6.犯罪が少ない

7.所得による教育格差のない

若者のなってほしいという日本の姿は、まさしく今の日本にないものばかりという結果となりました。また同時に「実現可能か」との問いに対しても消極的な回答が多かったようです。


将来不安なことは?


若者対象のアンケートで「将来不安なこと」も浮き彫りになりました。こちらは保険クリニックによる17才~29才500人に聞いたアンケートからです。

【17才から19才】

  • 就職
  • 結婚
  • 年金

【27才から29才】

  • 年金
  • 健康
  • 日本経済

若者の年金に対する不安は、事実のようです。しかも10代からすでに年金の不安があるというのには驚きました。しかも20代では1位です。20代では将来の不安の5位が「親の介護」だそうで、今どきの若者の将来を見据えた真面目な一面が感じられます。


若者は年金を払っていない?


将来、自分が高齢者となった時には「年金はもらえない」と考えている若者がとても多いです。そのため、「じゃ年金を払うのをやめよう」となってしまいそうですが意外にも国民年金はしっかりと支払われているのです。

確かにまったくの未納者もいますが、およそ95%の人がきちんと年金を納めています。そのため年金制度は破たんするどころか安定してきているといいます。厚生年金では納めた金額の2.3倍、国民年金では1.5倍を受け取ることができる、優良な積立貯金のような意味合いもあるといわれています。


今の若者が高齢者になったら


年金は世代間で支え合うという仕組みですが、日本では今、急激な「少子高齢化」が進んでいます。これから多くの高齢者を少数の若者が支えなくてはならなくなるのです。今はまだ公的年金も成り立っています。

しかし今の若者が高齢者になった時にはどうなるのでしょうか。年金制度は破たんしないといわれますが、受け取れる保障はどこにもありません。何かできることから備えておくことも考えなくてはならないでしょう。

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年金不安の40代

いよいよ年金の不安が現実的となってくる40代。でも大丈夫です。40代ならまだ、いくらでも手が打てます。40代は頑張りがまだききますので、出来る限りのことをしておきましょう。


年金不安の40代がしておくべきこと


  • 財形年金貯蓄を始める

40代は教育資金など出ていくお金も多いですが、まだ20年くらいの期間は積み立てができます。勤務先の財形貯蓄制度を利用しましょう。財形年金貯蓄は55才未満なら始めることができ、60才以降に5年~20年の間、年金として受け取ることができます。

また積立は給与天引きですので、貯蓄しやすいという性質があり、積立金額も自由に設定できるので、教育費などの出費の時期に合わせて組み直すことが可能です。

  • ネット銀行なら金利が高め

会社に財形年金貯蓄がない場合は、個人でネット銀行に積み立てをしましょう。例えばイオン銀行なら普通預金の金利が年0.100%になりますので、かなりお得です。イオンカードセレクトの申し込みが必要となりますが、入会金、年会費は無料ですので積み立て銀行の候補に入れてもいいのではないでしょうか。またソニー銀行やじぶん銀行ではおまかせ入金サービスや定額自動入金サービスといったものがあります。

  • 自営やフリーランスなら国民年金基金

自営の場合は会社員と違い支給される年金額が低いです。それを解消するために作られた制度が国民年金基金で、国民年金に加入していて、厚生年金の被扶養配偶者でなければ加入することができます。

国民年金基金は、月額68,000円までかけることができ、所得控除になりますので節税の意味でも大きいでしょう。終身年金か確定年金かも選ぶことができます。

  • 不動産投資ができないか

現在の持ち家のローンの支払いが終わっている、または支払いの目処がたっているようなら2件目の購入を検討するのもいいでしょう。控除による節税と合わせて、老後資金の対策となります。新しく購入する家に引っ越し、これまで住んでいた住宅を賃貸に出すといったことも収入を増やせる可能性があります。

40代では積み立てもローンを組むこともじゅうぶんにできますので、少々無理をしてでも老後に備えて蓄えをしていきましょう。そしてまだまだ支出をおさえられないか見直しが必要となります。

毎月50,000円を積み立てるところを、51,000にするなど、支出の見直しによる積立額のアップを図ることをおすすめします。40代で頑張ればその分、老後が楽になると考えてください。40代の乗り切り方で60代の在り方がぜんぜん違ってくるでしょう。

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年金不安の50代

定年を目前に控えて、将来の年金生活を不安に感じる50代が急増しているといいます。今の50代はバブル時代も経験してきたため、生活を向上させることにお金を多く使ってしまう傾向があるのです。また生活のレベルを落とすことも不得意な世代だといわれています。


50代の不安の声


公的年金プラス個人年金だけでは生活できません。定年後は、パートで働くつもりです。毎年、年金額が減っていってます。元気なうちは働き貯蓄する予定です。
一生働くのかと考えると悲しくなります。定年後は、日本全国旅行する予定でしたが難しいようです。
毎年、誕生月に届く年金便りの金額にため息がでました。節約、節約。
貯蓄ですね。

親を介護している、今の親世代は十分に年金がある、私のように嫌嫌でもみるものがいるから幸せ。私ら貯金も年金もない、気付いた時には世間は不況不況で、いい思いもしなかった。子供にも厚かましく、介護してなんて言えない。そんな分厚いハートも持っていないしね、さっさと良いことない人生終わらせたい。

出展:https://www.minnanokaigo.com/enquete/E17679411/

なんだか、寂しくなってくるコメントですが、似たような声はいくつもいくつもあります。年金不安を抱える方は、ついつい自分だけが不安なのかと感じてしまいがちですが、思っている以上に世間では不安が広がっているのです。

また50代には両親の介護問題なども浮上してくるため、仕事をする事すらままならない会社員も多くおられます。


年金不安の50代は約80%


自分の老後に不安を感じていないと答える人はたったの3%ということが50代全国500人対象のアンケート結果からわかりました。そして80%は生活資金や住宅などの経済面での不安を抱えているのです。

老後に必要な1ヶ月の生活費についての質問では1位が「15~20万円」、2位では「20~25万円」と答えています。これでは厚生年金でも生活していくのは苦しいということになります。40代とは違い50代では健康面でも不安が高まっています。そのため生活資金が足りなくても病気などで働けないといったさらなる不安がプラスされることとなるのです。

50代となると「転職して給料を上げる」といったことが現実的に不可能です。そのため「支出削減」が大きなテーマとなるでしょう。また退職金をあてにした返済は老後のためによくありません。退職金を老後のもしもの時に切り崩していけるように、家庭の借り入れを退職金以外のボーナスなどから捻出できないかといった返済計画の見直しが必要です。

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年金不安解消のために今できること

まず、最初に考え方を整理すると「年金をあてにできない」ということに尽きると思います。年金をあてにしている時点で、すでに「危機管理意識」が足りないと思ってください。では「年金をあてにしない」とはどういうことでしょうか。それは「今できることを」をすることです。


できるだけ貯蓄する


日本ではじつは中流家庭だと考えている世帯のほとんどが、「貧困層予備軍」だということをご存じでしたか。なぜそうなるのかというと、現在の収入に対して将来の支出が計算できていないことにあります。

とくにサラリーマン家庭の場合は毎月一定の収入があるため、どこか安心感があり、余程の覚悟がない限り貯蓄よりも目の前の必要な買い物にお金を使ってしまいます。ですがその買い物は本当に必要なのでしょうか。これからの人生、思ってもみない出費がいくらでも襲い掛かってくることを考えて、できるだけ支出を貯蓄にまわしましょう。

日本では収入の多い人の方が貯蓄をあまりしていない場合が多いといいます。これも安心感からくる危機管理意識の足りなさが原因なのです。年金不安解消のためには貯蓄がなりよりも大切です。


収入を増やす


「攻撃は最大の防御なり」という言葉がある通り、貯金が防御とすれば、攻撃は収入を増やすことになります。考え方を変えて生活習慣を見直せば収入を増やすことができないでしょうか。

最近では将来への不安から副業に取り組む人がとても増えています。サラリーマンでもけっこういるようで、副業をまったく考えていない人の方が少なくなっているともいいます。これだけ副業をする人が増えたのもインターネットの普及によるところが大きいでしょう。ネットでできる仕事が増えていることで、副業自体がやりやすくなりました。


副業でできるネットビジネス


  • ヤフーオークション
  • メルカリ
  • ココナラ
  • YouTube
  • ブログアフィリエイト
  • ライター
  • アンケート・ポイント
  • 株式投資・FX

他にもたくさんありますが、ネットビジネスはすぐに始められる副業です。副業はやり方次第では本業を超える収入となることも少なくないようです。主婦などでもご主人を超える収入を得ている人もいるようで、これからの時代は定年になってからでも取り組める仕事となってきます。

年金不安などでうっとうしい気持ちを抱えたままでいるよりも、今できることが何なのかを考えていきたいですね。そして少しでも収入につながるような行動を起こすことが将来へとつながるのだといえるでしょう。

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